8月14日    イシス  (Isis)
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天空神ヌト(Nut)と地の神ゲブ(Geb)の娘。

ナイル川デルタ地帯のブシリス(Busiris)北方のベーベイト・エル=ハガー (Behbeit el-Hagar) の大地母神。

古代エジプトは、古代日本と同じように多神教の国である。

その神々の中でも古い時代から名前が見られ、至高の存在として長く信仰されてきたのは女神イシスであった。


イシスの古さは、BC24世紀、古王国の第5王朝、ウナス王 (Pharaoh Unas) のピラミッドに書かれた碑文にイシスの名前が見られることからもわかる。

元来、ナイルの豊穣を司る神としてエジプト各地で崇拝されていた。



                         



遥か時代を下りBC5世紀、ギリシアの歴史家ヘロドトス (Herodotos) はイシスを、ギリシアの大地、農業の女神デメテル (Demeter) と同じものとみなした。

他方、死者の守護神で魔術を司る女神でもあった。


イシスはオシリス神 (Osiris) の妹、妻であり、太陽神ホルス (Horus) の母でもある。

エジプト名はアセト (Aset) で、玉座を意味している。



神話では、セト (Set) に殺害された夫オシリスの遺体を集め、魔術によって夫の種を受け、身ごもってホルスを生んだ。

やがて成長したホルスは、復讐に立ち上がり、セトに戦いを挑む。


ホルスを亡き者にしようとするセトの企みをイシスはあの手この手で防いでいる。

このような献身的な妻、普遍的な母神としての性格から、古代エジプトでは最も親しまれる神となっている。




(イシス神殿)

ナイルの真珠と謳われたイシス神殿はかつてフェラエ島 (Philae) にあったが、ナイル川の水量が増して島が水没した為、

神殿を4万個にカットし、アギルキア島 (Agilkia) に移し1980年3月に完成した。

またクレオパトラシーザーが新婚旅行で来たところでもある。


Myths&Legends(Philip Wilkinson)


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