9月1日 世界の七不思議 (5) マチュ・ピチュ (Machu Picchu) 春夏秋冬 |
密林が茂るアマゾン上流からそそり立つ急な斜面の終わりに、突如として現れる石の都。
下からはその存在を確認出来ないことから「空中都市」とも呼ばれるこの遺跡は、
スペイン人から逃れるために、インカの人々が作った秘密都市だったとされている。
マチュ・ピチュの総面積は5ku、斜面には段々畑が広がり、市街区は神殿や宮殿、
住居区などに分かれ、周囲は城壁で固められている。
16世紀半ば、インカの住民は、高度な文明が栄えたマチュ・ピチュを残し、さらに奥地へと消えてしまう。
その後400年以上にわたって人の目に触れることなく、1911年にアメリカ人歴史学者
ハイラム・ビンガム(Hiram Bingham III)が初めて発見した時には、草に覆われた廃虚となっていた。
インカ文明の特質は、国家の最高神たる太陽神をまつる神殿をはじめ、
多数の巨石を使った城壁建築物に代表される。
城壁は、長さ540メートルにわたり、数万個の石を積み上げて三重式の防壁を造っている。
石材は玄武岩だが、100トン級の石で造られ、最大のものは250トンになると推定される。
城壁は、カミソリの刃一枚も通さないほどの見事な石組みとなっている。
使われた玄武岩は、最も近い石切場までは、山の中を35キロも行かなければならない。
最大250トンもの石材を、どうやって運び込んだのだろうか。
マチュピチュに近いインカの大都市クスコ(Cusco)から、手術痕のある遺体が出土している。
インカの医学レベルは当時の水準を遙かに超えていて、コカの使用法を熟知し、
脳外科手術まで行っていたようである。
医学に対する考え方は現代とは異なっていたかも知れないが、想像もつかないほど進んでいたようである。
マチュピチュにまつわる多くの謎は、未だに解明されていない。
マチュピチュに生息する動植物で特徴的なのは「アンデスイワドリ」である。
オスのほうは、鮮やかなオレンジ色をしており、繁殖期になると、メスの気を引くため、
激しく鳴いたり踊ったりと、非常にユニークな習性がある。
この鳥はペルーの国鳥に指定されており、あたかも陽気なペルー人の国民性を象徴しているかのようだ。
マチュピチュまでの交通
日本からロサンゼルス経由の直行便でリマまで20時間。リマから国内便でクスコまで1時間。
クスコから列車でアグアス・カリエンテス(Aguas Calientes)まで3時間。
アグアス・カリエンテスからマチュピチュまでバスで1時間。