9月11日    ど根性大根                                  
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とある住宅街。アスファルトの割れ目を突き破って出てきた大根。

「どこからタネが来たのか」と不思議だが、おそらく風で飛んできた種子が、

このアスファルトのくぼみに着地して、幸運にも育ったものと考えられる。


水や肥料をやって世話したのでもない。過酷な状況の中で元気に育つ命に、

いつの間にか「ど根性大根」と名前がついた。




               





戦後「リンゴの歌」というのが大流行した。

「赤いリンゴに、くちびる寄せて」というあの歌である。

うちひしがれた戦後の人々の心に、この歌は明るい未来を予感させた。


昔から、日本人というのは、自然の中に生命力があって、人間はその生命力を

くみとって生かされていると考えている。


だから、大根から生きる勇気をもらい、赤いリンゴから生きる希望をもらい、

すくすく育ったタケノコからは、元気をもらったりするのである。



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