9月16日   白鳥の湖  (Swan Lake) 
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ドイツのある王国の城。
城の庭では、ジークフリート王子の成人式の祝宴が開かれていた。

みんな楽しげに踊り、祝宴は真っ盛りであったが、ジークフリートの心の中は憂鬱だった。
彼は、母の王妃から明日の舞踏会で花嫁候補の中から妃を選ぶように言い渡されていたのだった。

人々が乾杯の踊りに興じたあと、夕暮れの空に白鳥の群れが飛んで行くのが見える。
王子は、狩りをしようと、弓を手に湖へと向かった。

荒涼とした湖のほとり。
王子は、一羽の白鳥を見つけ、射ようとするが、白鳥は気配を察して逃げてしまった。

しくじったな、と思っていると、周囲が不思議な光に照らされはじめる。
そこに王冠を頂いた白鳥が現れたと思うや、一人の美しい娘に変わった。

ジークフリートは驚愕し、そしてその美しさに息を呑んだ。

白鳥の娘は、最初おびえていたが、彼が誠実にわびるのに心を開き、自分の境遇を話し始める。

白鳥の娘の名はオデット。
悪魔によって白鳥に姿に変えられ、夜の間だけ人間の姿に戻ることが許されているのだった。

魔法を解けるのは、真実の愛のみ。

二人が話しているうちに、湖畔からは次々と白鳥たちが現れ、娘の姿に変わっていった。
オデットの侍女たちであった。

侍女たちも、ジークフリートを怖がっていたが、二人の話を聞き、心を開き始めた。
そしてせめて人間でいられる時間を楽しく過ごそうと、みんなで語り合った。

しかしいつしか夜は明けていた。
もはや娘たちの姿はなく、暁の光に照らされた湖には、白鳥が泳いでいるだけであった。

夢か現か … しばらく呆然としていた彼は、ふとオデットが残して行った羽を拾い上げた。
不思議な出来事ではあったが、夢ではなかったのだ。

今や憂鬱はすっかり姿を消し、ジークフリートの心はオデットへの愛の想いで満たされていた。

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                      (白鳥の湖 序曲)