10月14日 イドゥン(Idun)
イドゥンは、黄金のリンゴを所持する若返りの女神である。
黄金のリンゴは、食べる者に永遠の若さを与える不老不死のリンゴであり、
彼女は、それらをトネリコの箱に入れて大事に保管している。
あるとき彼女は、悪神ロキ(Roki)に騙されて攫われてしまった。
イドゥンがいなくなったため、神々は急速に年老いて大混乱に陥った。
神々は、それがロキのしわざであることを見抜き、ロキを呼び出し、
彼女を連れて帰って来るように命じた。
やがて無事に戻ってきたイドゥンは、すぐにリンゴを配ったので、
神々はもとの若く美しい肉体を取り戻すことができたという。
女神イドゥンは、北欧神話に登場する女神の一柱であり、イズンとも呼ばれる。
彼女は詩神ブラギ(Bragi)の妻であり、黄金のリンゴの管理を神々から任されている。
北欧の神々は、人間と同様に年を取り、やがて死すべき運命を背負っている。
彼らは、女神イドゥンの若返りのリンゴで年齢増加を防ぎ、永遠の若さを保っているのである。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)