12月9日     一茶さん (童謡)      1937年(昭和12年)                

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         Illustrated  by  テラ

俳人・小林一茶の歌でよく知られているのは、作詞 中条雅二、作曲 中野二郎の「一茶さん」という歌である。


「一茶のおじさん 一茶のおじさん…」と始まる曲で、子供の問いかけに優しく答える年老いた一茶の姿を

戦前の流行歌手・有島通男(ありしまみちお)が歌っている。


一茶の生まれ故郷である長野県信濃町の「一茶記念館」の前には、この曲の歌碑が建っている。



「一茶さん」(作詞:中条雅二、作曲:中野二郎、唄:有島通男、新谷恭子)


      


  一茶の おじさん 一茶の おじさん あなたの 生まれは どこですの

はい はい 私の 生まれはのぅ 信州 信濃の 山奥の そのまた 奥の 一軒家 すずめと お話 してたのじゃ


一茶の おじさん 一茶の おじさん  おなたの お歌を きかせてね

それでは うたってみましょかのぅ  私が 小さいときじゃった お背戸の 畑で ひとりきり 母さん 想うて よんだ歌


われと来て 遊べや 親のない雀 われと来て 遊べや 親のない雀


一茶の おじさん 一茶の おじさん 信州 信濃は どんな国

はい はい 信州 信濃はのぅ 大雪 小雪の 山の国 春が 来たとて まだ 寒い すずめも ふるえておりますじゃ
 


                   




歌詞にある「親のない雀」には、一茶の孤独だった幼少期が投影されているようだ。一茶は母親が早くに亡くなって、

継子として育てられた。継母との関係はあまりよくなく、寂しい幼少期を送ることになった。


一茶には自分も親のない雀みたいなものだという気持ちがあったのだろう。

そんな背景を思うと、愛らしい俳句の裏にある物悲しさが伝わって来る。



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