12月13日 アルベロベッロ (Alberobello)
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アルベロベッロは、イタリアのプッリャ州に属する人口一万人ほどの街。
「トゥルッリ」と呼ばれる白いトンガリ屋根の家が並ぶことで知られている。
この地方でとれる石灰岩の切り石を積み上げて造った石造家屋である。
トゥルッリ(Trulli)とは「部屋一つ、屋根一つ」という意味。
つまり、ワンルーム一戸建てで、その中をカーテンなどで仕切って使っている。
壁は分厚いので、夏は暑さを遮り、かなり涼しく過ごせる。
飾りのついた屋根の尖塔は、この街のシンボルマークにもなっている。
トゥルッリとともに始まったこの街の歴史。その起源は15世紀までさかのぼる。
かつて、この街は貧しく住民は石が多く、やせた土地に暮らしていた。
当時は、屋根の数に応じて税金が徴収されることになっていた。
だから、税金逃れのために、すぐに解体できるように家屋を造る必要があった。
税務署の役人が調べに来たら、家があった場所は石が転がっていただけ。
役人が帰ると、また戻ってトゥルッリを建て直した、などという話も伝わっている。
アルベロベッロの街は、徒歩で散策するのにちょうど良い大きさだ。
トンガリ屋根の教会や、南仏の雰囲気漂う街並みを見て歩くのも楽しい。
この街で唯一の二階建てのトゥルッリは、博物館になっており、中を見学できる。
夏のあいだは劇場となり、演劇やコンサートなどが開催されている。
アクセスは、バーリ中央駅(Bari Centrale)から列車で約一時間半。
アルベロベッロ駅からトゥルッリが立ち並ぶ市街までは、徒歩10分程度である。
(Largo Martellotta, 70011 Alberobello BA, Italy)
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