占星術Astrology
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人間の運命は天体に支配されているという思想で、古代バビロニア人が考案した黄道十二宮(Zodiac)が占星術のルーツとされる。
中世を経てルネサンス期に爆発的な支持を集め、神秘学の中心的学問となった。
占星術は、星座や惑星と地上の出来事を関係づけて、未来を予見したり、人の性質を判断するものだが、
ある特定の瞬間の太陽、月、惑星および地表の位置関係を記号で図式化したものをホロスコープ(Horoscope)といい、
「黄道十二宮」、「十二室」(house)、「惑星」(Planet)、「アスペクト」(Aspect 角度)などの要素で構成される。
個人のホロスコープは、普通誕生時につくられ、占星術師により個人の性格や未来の予言に使われる。
これは、個々の天体がそれ自身の神秘的な性格をもち、さらにそれは各時点での他の天体との
相互の位置関係にも影響されるという信仰に基づく。
宇宙のすべての現象は互いに干渉し合っているので、これらの天体は人間の運命にも影響すると考えられたのである。
なお、黄道の「春分点」は牡羊座から始まるが、そこに星座の牡羊座があるわけではない。
これは黄道の春分点が約2,160年で約30度づつ移動しているためで、占星術が始まった当時は「春分点」は牡羊座に
「秋分点」は天秤座にあったが、自転のズレで現在、「春分点」は魚座に「秋分点」は乙女座にあるためである。
なぜ占星術が、人の運命を占えるのか。
「生命の誕生の際に、天空から力が流れこむ。
天空の惑星の配置によってその力の質はいろいろに変わる。
こういった力の影響は、人間の幸福の要素のうち、性格、肉体的条件、守護神を決定する。
星は生誕のときにのみ直接的に影響をおよぼし、その後の成長には直接的影響をおよぼさない。
それを決定するのは人間の自由意志である」
これは17世紀の天文学者であり占星術師でもあったヨハネス・ケプラー(Johannes Kepler)が、
ギリシア的運命論にもとづく占星術と、神や人間の意志を尊重するキリスト教教義をぎりぎりまで擦り合わけ、地上での出来事と関係づけた。
この黄道十二宮の性質の解釈の仕方が、占星術の奥義である。
黄道十二宮 | 星座 | シンボル | 太陽のいる期間 | 四大 | 惑星 | 人 体 | 金属 | 意 味 |
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白羊宮 (Aries) | おひつじ座 | ♈ | 3/21-4/19 | 火 | 火星 | 頭 | 鉄 | 体力・勇気 |
金牛宮 (Taurus) | おうし座 | ♉ | 4/20-5/20 | 土 | 金星 | 首・肩 | 銅 | 美・愛 |
双子宮 (Gemini) | ふたご座 | ♊ | 5/21-6/21 | 風 | 水星 | 両腕 | 水銀 | 富 |
巨蟹宮 (Cancer) | かに座 | ♋ | 6/22-7/22 | 水 | 月 | 胸・胃・口 | 銀 | 芸術・旅行 |
獅子宮 (Leo) | しし座 | ♌ | 7/23-8/22 | 火 | 太陽 | 心臓 | 金 | 幸運・指導力 |
処女宮 (Virgo) | おとめ座 | ♍ | 8/23-9/22 | 土 | 水星 | 腹部 | 水銀 | 富 |
天秤宮 (Libra) | てんびん座 | ♎ | 9/23-10/23 | 風 | 金星 | 腸 | 銅 | 美・愛 |
天蠍宮 (Scorpio) | さそり座 | ♏ | 10/24-11/21 | 水 | 火星 | 性器 | 鉄 | 体力・勇気 |
人馬宮 (Sagittarius) | いて座 | ♐ | 11/22-12/21 | 火 | 木星 | 大腿 | 錫 | 知恵 |
磨羯宮 (Capricorn) | やぎ座 | ♑ | 12/22-1/19 | 土 | 土星 | 膝 | 鉛 | 魔術・呪い |
宝瓶宮 (Aquarius) | みずがめ座 | ♒ | 1/20-2/18 | 風 | 土星 | 脛 | 鉛 | 魔術・呪い |
双魚宮 (Pisces) | うお座 | ♓ | 2/19-3/20 | 水 | 木星 | 両足 | 錫 | 知恵 |
ケプラーは、天体の運行法則に関する「ケプラーの法則」を導きだし地動説を優位にした人物としてよく知られている。
そんなケプラーであっても生活費のほとんどは占星術で稼いでいたといわれる。
また落ちたリンゴを見て「万有引力」を発見したアイザック・ニュートン(Isaac Newton)も公爵家の御用達占星術師として生活していたという。
昔は洋の東西を問わず、権力者には多くの場合、お抱えの占星術師がいた。
東洋においても、三国志に登場する諸葛孔明や、平安時代後期、一条天皇に仕えた安倍晴明、唐へ留学した空海などはみな、優れた占星術師だったと言われている。
戦国時代には、戦術をサポートする軍師の役割として占星術師が活用されるようになり、織田信長や武田信玄は敵対する武将との相性を占い、戦いに赴いたという話もある。
また江戸時代に入ると、徳川家康のブレーンであった天海僧正が占星術を駆使し、全国の大名との相性を占い、配置転換など人事戦略として活用していたとも言われている。
魔法事典(山北篤)