ギリシア神話事典              あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 ら行


サウィンSamhuin
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サウィンの祭は、古代ケルト人にとって新年の始まりであり、収穫祭であると同時に、悪霊を払う祭だった。
10月31日の祭の始まりでは、ドルイド(Druid)の祭司達がかがり火の周りで夜明けまで踊り、作物と動物の生贄をささげる儀式を行った。

11月1日の朝になると、ドルイド祭司は、祭事に使ったたき火の燃えさしを各家庭に配った。
各家族は、この燃えさしでかまどに火を付け、この火が魔除けの焚き火として悪霊や妖精から家を護る働きをしていた。

というのも、この時期には「この世」と「霊界」の門が開き、ふたつの世界が行き来できるようになると考えられていたからである。

サウィンの風習は、アイルランド人が自然信仰からキリスト教へと移行した後も根強く残っていた。
しかし、キリスト教は、この祭りを、亡き聖人たちを祭る「万聖節」(All Hallows Day)とすることによって、この祭りを完全に取り込んでしまった。

ハロウィンの語源は、「万聖節」の前夜(Eve)の意味であり、「All Hallow Eve」が縮まって「Halloween」になったといわれている。

(Wikipedia, the free encyclopedia)

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サガsaga
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古ノルド語(Old Norse 古代アイスランド語)で書かれた、中世の散文物語群の総称。
12、13世紀のアイスランドで成立(著者は不明)
ノルマン人の植民前後からの史実や英雄伝説を年代記風に記したもので、長短百数十編が現存している。

サガは主題をもとに「王のサガ」「司教のサガ」「アイスランド人のサガ」「古代のサガ」
の4つに分類される。


サガ


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サキュバスSacubus/サクブス/スクブス(Succubus)
男性を誘惑する淫魔。語源は「下に寝る」という意味のラテン語。
サキュバスは、眠っている人間の男性のもとに現れて、彼らの精液を吸い取ったという。
妻や恋人に似た姿をとることが多く、その誘惑を拒否することは非常に困難だった。
また、サキュバスに精液と間違わせるため、牛乳を枕元に置く習慣もあったという。
Witchcraft in The Middle Ages(Jeffrey Burton Russsel)
Demon Lovers(Stephens Walter)


ザキントス島Zakynthos
ギリシアの西方イオニア諸島(Ionian Islands)中部の島。干しブドウ、ワイン,オリーブ油などを産する。
ホメロスの作品に登場するオデュッセウス支配下の島である。
(イリアス 第二歌 634)(The Encyclopedia Britannia)


左慈Zuoci(さじ)
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後漢末の道士。字(あざな)は元放。号は鉄冠子。
揚州廬江郡の出身。(現在の安徽省合肥市)

優れた幻術の使い手で、不老の術を心得ていたという。
一説には峨眉山中で「遁甲天書」(とんこうてんしょ)なる一書を得て飛空・隠身・変化(へんげ)・土遁(土中を通り抜ける)・
飛刀(剣を飛ばして人を殺す)などの術を会得したという。

曹操の宴席に出席したとき、曹操が「呉の松江のスズキが欲しい」といいだすと、水を張ったタライからこれを何尾も釣りあげてみせた。

また、スズキにあわせる蜀のショウガを手にいれてきてほしいというと、これにも二つ返事で応じる。

いささか疑問に思った曹操が「ついでに蜀にいっている使者に言づけを頼む」というと、それも引き受けて会場をでていき、
しばらくするとショウガと使者の手紙をもって帰ってきた。

あとで曹操が使者に確認すると、時日も状況も完全に一致していたのだった。

また別の機会に、曹操が100人ほどの役人を連れて外へでかけていったことがある。
このとき左慈は酒一升、肉一斤をもって役人たちに酌をしてまわったが、だれもが満腹するまで飲み食いできた。

ところが、これをあやしんだ曹操が調べさせると、付近の酒場の酒と肉がすっかりなくなっていたという。

さすがに恐れた曹操が左慈を捕らえさせようとすると、彼は壁のなかに溶けこむように消えた。
市場で捕らえようとすればいあわせた者がみな左慈の姿となり、山で出会えば羊の群れのなかに隠れられるなどして、ついに捕らえることはできなかった。

「三国演義」では、曹操にはじめて会ったとき「劉備に天下を譲って不老長生の修行をせよ」といったために縛られて鞭打たれたがケロリとしていた、という話や、
曹操に追われ鶴に乗って空へ逃げたが、その際曹操の死を予言するなど、奇人ぶりに拍車がかかっている。

なお左慈は、芥川龍之介の小説「杜子春」にも峨眉山の仙人として登場している。

魔法事典(山北篤)

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座敷わらしZashiki-warashi
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日本の東北地方で多くの伝承が見られる精霊。
大きな家や旧家の奥座敷で見ることができ、だいたい五、六歳くらいの子供の姿をしている。

性別は男女両方が見られ、髪はおかっぱ、またはざんぎり頭。男の子は絣か縞の黒っぽい着物を、
女の子は赤いちゃんちゃんこや小袖、ときには振袖を着ているという。

「座敷わらしの住む家は栄える」と言われており、民族学者・柳田国男の「遠野物語」にもその様子が書かれている。
悪戯好きであり、客が来ると座布団の上に乗ったり、子供たちと遊んだり、姿は見せずに物を転がしているような音をさせるという。

その昔、東北地方には飢饉が多く、生まれてきた子を育てる余裕がなくて、間引いて、土間や台所に埋める風習があった。

漫画家で妖怪研究家の水木しげる氏は、そこから、いないはずの子供が見える話が生まれたのではないかと語る。

柳田国男「遠野物語」水木しげる「漫画 遠野物語」

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サタン(Saturn) → クロノス


サテュロスSatyros
半人半獣の山野の精霊たち。
上半身は人であるが、動物の耳と角をもち、下半身はウマまたはヤギの形をして、ふさふさした尾が生え、巨大な男根を絶えず勃起させた姿で表わされる。
自然力を霊格化した野生的存在で、ディオニュソスに従い、ニンフたちに欲情を燃やして戯れかかるとされた。
(アポロドロス 第ニ巻 1-4)


サトゥルヌス  → クロノス


サモス島Samos
エーゲ海東部、トルコ沿岸にある島。ゼウスの妻ヘラの誕生の地とされ、古くからヘラ信仰が盛ん。
BC8世紀頃にイオニア式神殿であるヘラ神殿(Temple of Hera)が建造された。
また、エピクロス(Epicurus)やピタゴラスなどの古代ギリシアを代表する哲学者の故郷としても有名。
(The Encyclopedia Britannica)


サモトラケ島Samothrake
エーゲ海北東部にある島。
ホメロスの「イリアス」のなかで、ポセイドンがこの山頂から トロイの戦場を望んだと描かれている。
1863年出土の大理石彫像は「サモトラケのニケ Winged Victory of Samothrace」として有名。
(イリアス 第13歌 10)(The Encyclopedia Britannica)


サラスヴァティ(Sarasvati) → ドゥルガー


サラマンダーSalamander
中世ヨーロッパの伝説に現れるへびあるいはとかげの形をした火の元素霊。
燃えない皮膚をもち、大地の奥の灼熱の火の中に住むが、地上の火の中にも姿を現すことがあると信じられた。

16世紀の錬金術師パラケルスス (Paracelsus) が、著書「妖精の書」(Liber de Nymphis, Sylphis, Pygmaeis et Salamandris et de caeteris Spiritibus)
で定義した四大元素霊 (地、水、火、風) のうち、火に属するとされた自然霊 (Nature spirits) である。
(The Encyclopedia Mythica)


サラミスSalamis
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1 サラミス島。エーゲ海西部、サロニコス湾北部にある島。
アソポス河神の娘サラミスがポセイドンと交わって一子、キュクレウス(Kychreus)を得た島がサラミスと呼ばれるにいたった。

また紀元前480年、ギリシア艦隊がペルシア艦隊に大勝利したことで知られる。
(アポロドロス 第三巻 12-7)(The Encyclopedia Britannica)

2 地中海の東部に浮かぶキュプロス島の東部海岸にあった町。
英雄テウクロスがトロイ戦争の帰路建設したと伝えられる。

島の東岸に位置し、ファマグスタ湾(Famagusta)に面した良港があり、フェニキア、エジプト、キリキアなどとの通商が盛んであった。
(The Encyclopedia Britannica)

3 アソポス河神の娘の一人。 (ナイアス Naias 水のニンフ)

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サルペドンSarpedon
1 ゼウスとエウロペ2の子。ミノスとラダマンティスの兄弟。
クレタ王アステリオス(Asterios)に育てられ、成長してのち、兄弟のミノスとの王位争いに敗れ、
クレタを去り、リュキア(Lykia)に来てそこの王となったとされる。
トロイ戦争のおり、リュキア勢を率い、トロイ方に加勢して奮戦したが、パトロクロスの手にかかって戦死した。

2 ヘラクレスがアマゾンの女王の帯を取りに行った帰りに、トラキアのアイノス(Ainos)の海岸で射殺した男の名。


三叉の矛Trident 
ポセイドンの武器。キュクロプス製。
一突きで巨岩を砕き大地を震撼させる威力を持つ。
水を支配する力を秘めており、海を引っ掻き回して津波を起こしたり、何もないところに泉を湧き出させたりする。
(Apollodorus Library book1 chapter2 by Sir James George Frazer)



三種の神器(さんしゅのじんぎ)
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草薙剣(くさなぎのつるぎ)

スサノオがヤマタノオロチを退治した時、オロチの尾から見つかった神剣。アマテラス(天照大神)に献上されたと伝えられる。

ヤマトタケル(日本武尊)が東征の折、これで草を薙ぎ払ったことから、草薙剣の名がついた。
草薙剣は、三種の神器の一つで、天皇の持つ武力の象徴であるとされ、現在は愛知県の熱田神宮に祭られている。


八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

アマテラスの岩戸隠れの際に、アマテラスへの貢ぎ物として作成され、榊(さかき)の木に飾ったと伝えられる。
もともとは装飾品だったが、後に祭祀に用いられ、象徴的な価値を持つようになった。

陰陽道で宇宙を表す太極紋には勾玉の形が使われている。また家紋などに使われる勾玉の形は巴とも呼ばれる。
三種の神器の一つで、天皇の慈悲を象徴するとされ、現在は皇居に保管されている。


八咫鏡(やたのかがみ)

アマテラスの岩戸隠れの際に作成され、彼女が鏡に映った自分の写し身に誘われて外に出て、世界に光が戻ったと伝えられる。

鏡は神の力を持ち、真実を映し出すとされる。なお、裁判所の裁判官が胸に付けているバッジは、八咫鏡をモデルにしている。
三種の神器の一つで、天皇の知恵を象徴するとされ、現在は三重県の伊勢神宮に祭られている。

(日本書紀、古事記)


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三相一体Triple Goddess
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三叉路の神ヘカテ(Hecate)は、三人の女神の姿で描かれることがあり、それぞれ手にたいまつ(月光の象徴)、
蛇(不死の象徴)、ナイフ(助産術の象徴)、鍵(冥界の象徴)、ロープ(束縛の象徴)を持っている。

ヘカテが夜の三叉路に立ち、三相一体で表わされるのは天界・人間界・冥界の三界を繋ぐ神とされているからである。
ヘカテの起源は大変古く、ギリシャ時代からさらに昔の古代エジプトまで溯るといわれている。

彼女は歳をとることのない存在で、乙女・母親・老婆を象徴する三相一体の女神とも呼ばれ、また月の女神セレネ(Selene)、
アルテミス(Artemis)と同一視されていた。

三相女神は、それぞれ別存在ではなく、一柱の女神が三重化した姿である。
これら三相一体の概念は、各地の神話における女神の三つのペルソナとしてさまざまな形で表現されている。


【ギリシア神話】

(天界・人間界・冥界)
セレネ(Selene 満月/月の光)、アルテミス(Artemis 半月/善・悪)、ヘカテ(Hecate 新月/月の闇)

(乙女・母親・老婆)
ヘベ(Hebe 乙女)、ヘラ(Hera 母親)、ヘカテ(Hekate 老婆)
コレー(Kore 乙女)、デメテル(Demeter 母親)、ペルセフォネ(Persephone 老婆)


三相一体



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サントリーニ島Santorini
エーゲ海キクラデス諸島(Cyclades)南部に位置する。別名ティラ島(Thira)
BC1628年に発生した海底火山の爆発的大噴火(Minoan eruption ミノア噴火)で5つの島々(サントリーニ諸島)が形成された。
また火山活動が造りだした切り立った断崖の頂上に、積もった雪のように輝く白壁の家々が密集する景観でも知られ、
ギリシャ正教会の聖堂が至る所にあり、その多くは白い壁と青いドーム型の屋根を持つ。
(Marine Investigations of Greece's Santorini Volcanic Field by Haraldur Sigurdsson 2006)
(The Encyclopedia Britannica)


三位一体Trinity
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神・イエス・人間の三位は、唯一の神が三つの姿となって現れたもので、元来は一体であるとする説。

キリスト教に伝えられた創世理論によれば、神は、言葉の魔力によって、自分以外の神々や世界や生物など、
ありとあらゆるものを創造することができた。
すなわち、名前を唱えると、その名前を持つ実体が出現したのである。

「言葉」はギリシア語で「ロゴス(Logos)」と言い、ギリシア哲学では、全存在の根底にある原理を意味する言葉であった。

創世記による「神は、光あれと言われた。すると光があった」という創造の言 (ことば) は、造られた世界よりも先にあった。
創造の言 (ことば)、すなわちロゴスは、世界が造られる前に神から生まれ、神と共に働いて世界を創造し、世界を保持し支配しつづけているのである。

ヨハネ福音書による「言 (ことば) は肉体となり、わたしたちのうちに宿った」とは、神の本質であり、すべての被造物の源泉であるロゴスが、イエス・キリスト、
そして我々人間として受肉したことが述べられているのである。

神が人間に変化したのではなく、ロゴスは神性を失うことなく、またいささかも神性に傷をつけることもなく、完全に神性を保有しながら人性をとったのである。
はるか高次元のかなたに存在する神が、その本質を「言葉(ロゴス)」の中に凝縮し、低次元であるこの世に指導者イエスとして、そして人として下生したことを言い表している。

すなわち、神・イエス・人間の三つのペルソナ(Persona)は、ロゴスにおいて一体不可分のものとして語られているのである。

(ヨハネ福音書第1章1節-17節)

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シヴァShiva
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ヒンドゥー教のシヴァ神は、禁欲者とみなされることもあるが、性愛にも関係があり、リンガ(Lingam 男根)の形で崇拝されている。
ヨーニ(Yoni)の中央にリンガが立つシンボル(リンガ・ヨーニ)は、ヒンドゥー教にとって生命原理の最高のシンボルとされている。

ヨーニとは女性性器をかたどったもので、リンガがヨーニとともに祀られた形は、豊穣や多産を願う地母信仰に関係している。
初子を神の子とするため、石や木で造られたシヴァのリンガを使って花嫁の処女性を奪うことが、ヒンドゥー教のしきたりであった。

神殿娼婦たちも、同様のリンガの儀式によって「神の花嫁」にされたのであり、
この儀式は、古代の中東、ギリシア、ローマにも見られ、共通のしきたりになっていた。

実物大のリンガのほかに、大きな柱の形をしたリンガもあり、こちらの方は巡礼の対象になることが多かった。
インドやネパールの街角や寺院には、こうしたシンボルがしばしば見受けられ、人々はこれに花や水を供える。

シヴァのリンガの近くでは、数々の奇跡が起こると信じられていたからである。

The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Barbara G. Walker)

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シキュオンSikyon
ペロポネソス(Peloponnesus) 半島北東部アルゴリス(Argolis)の古代都市。
(The Encyclopedia Britannica)


ジグルドSigurd/ジグルズSigurdr/ジークフリートSiegfried
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ジークフリート(Siegfried)の名でも知られる英雄ジグルドは、鍛冶屋レギン(Reginn)の養子として育てられた。

レギンの頼みで、黄金を生みだす指輪に魅入られ竜に姿を変えた彼の兄ファヴニル(Fevnir)を倒しに出かけたジグルドは、見事彼を退治し指輪を取り戻す。
しかしその時にうっかりファヴニルの血を舐めてしまったことで動物と会話できるようになり、小鳥から実はレギンがジグルドを騙して殺そうとしていたことを聞いた。

これを知ったジグルドはレギンのもとへ帰ると、彼を返り討ちにし、そのまま旅に出た。

旅の途中、彼はヴァルキュリー(Valkyrie)のブリュンヒルド(Brunhild)と恋に落ち、彼女に竜の指輪を与えた。
しかし、この指輪が二人に悲劇をもたらす。実は指輪は呪われていたのだった。

シグルドは彼女と結婚の約束を交わした後、ライン河畔のギューキ王(Gjuki)の宮廷を訪れた。
しかし、シグルドを 自分の娘グドルン(Gudrun)と結婚させようと画策した王妃クリームヒルド(Kriemhild)によって忘れ薬をもられ、
ジグルドは、ブリュンヒルドのことをすっかり忘れてしまう。

さらにクリームヒルドの魔術によって、ブリュンヒルドはクドルンの兄であるグンナル(Gunnar)と結婚するはめになってしまう。

ジグルドの裏切りを知ったブリュンヒルドは、ジグルドへの復讐を誓う。
彼女は新たな夫であるグンナルに、ジグルドの暗殺を命じたのだ。

しかし実際にジグルドが死んでしまうとブリュンヒルドは絶望し、ジグルドの火葬用の薪の山に身を投げて自殺してしまう。
彼女の指には、ジグルドからもらった竜の指輪がしっかりとはめられていたという。

ワーグナー(Richard Wagner) の楽劇「ニーベルンゲンの指輪(Der Ring des Nibelungen)」の「ヴァルキューレ(Walkure)」では、指輪の鍛造や、
横たわって眠りにつくブリュンヒルドについて語られる。

また「ジークフリート」と「神々の黄昏 (Gotterdammerung) 」では、ジークフリートとその悲劇的な結末が取り上げられている。

ヴォルスンガ・サガ(Volsunga Saga)

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仕事と日々Erga kai Hemerai
前700年頃のギリシアの詩人ヘシオドスの教訓叙事詩。
「農と暦」の意味。 828行から成る。
父の遺産の独占をねらう弟ペルセス(Perses)への警告から始めて、プロメテウスとパンドラの神話や、金、銀、銅、英雄、鉄の人間五代説や、
たかとうぐいすの寓話を用いて正義と悪の問題を論じ、労働の必要と正しさ、ゼウスの正義の勝利を説いてから本論に入り、
農作業の適切な時期を星座の運行と鳥獣の動きで教え、農具、飼育、休養、衣服などについて指示を与え、航海に関する簡単な忠告をつけ加え、
さらに結婚、友情、禁忌など社会的宗教的生活についても教訓を並べ、最後におもに農事に関して暦の吉凶を説いている。
(The Encyclopedia Britannica)


獅子門Portal of the Lionesses
古代ギリシアのミュケナイ城塞の門。
前 15世紀頃ギリシア本土に侵入してきたミュケナイ人はミュケナイの地に城塞を築いた。
主門は一本石の巨石を用い、その正面のまぐさの上に三角形の巨石を置き、中央の柱をはさみ、前脚を柱の基盤に乗せて相対する一対のライオンが浮彫にされている。
前 1300年頃制作されたものとされ、ミュケナイ人の堅固な城門を誇示したモニュメントである。
(The Encyclopedia Britannica)


シシュフォスSisyphos
アイオロス2とエナレテ(Enarete ネレウス Neleus の息子デイマコス Deimachos の娘)の子で、コリントス初代の王。オデュッセウスの父。
世界じゅうで最も奸智にたけたといわれる。
プレイアデスの一人、メロペ2との間にグラウコス2(Glaukos)を儲ける。
アイギナの父アソポス(Asopos)が娘を捜しにコリントスにやって来た際、アイギナはゼウスにさらわれたことを彼に密告したため神々の怒りを買い、
タルタロスで永遠に岩を運び上げるという責め苦を負う。
(アポロドロス 第一巻 9-3)


シシリア島 → シチリア島

シシリー島 → シチリア島


執政官Archon
都市国家ポリスの最高官職。「指導者」の意。ポリスの軍事・政治を指導した。
アテネでは執政官の制度がBC682年に始まり、王政が終ったとされる。
富裕貴族の中から選出されていたが、BC461年以降、ペリクレス(Pericles)による民主改革によって、
平民の中から籤引きで選ばれるようになった。アルコン。
(The Encyclopedia Britannica)


シチリア島Sicilia/シシリー(Sicily)
イタリア南方にある地中海最大の島。
全島が山がちで、最高点は東部のエトナ山(Etna 約3320m)。
(The Encyclopedia Britannica)


シノンSinon
ギリシア兵。木馬をトロイの城壁内に運び込ませるべく、志願して一人トロイの浜辺に残った。


シフSif
雷神トール(Thor)の妻。豊穣の女神。
豊穣のシンボルとされる彼女の金髪がロキ(Roki)の悪戯によって切り落とされると穀物が実らなくなってしまった。
そのためにシフの夫トールはロキを殺すと脅した。

「イーヴァルディ(Ivaldi)の息子たち」と呼ばれる小人族は、腕の立つ職人だった。
シフの髪を切ってトールに脅されたロキは、彼らに頼み込んで女神のために新たな髪を作ってもらった。

それは、細く、長く伸ばされた魔法の黄金のかつらで、頭の上に乗せればくっついて本物の髪のように伸びるといった代物だった。
このかつらのおかげでシフは以前より美しい髪を手に入れることとなり、その結果に夫のトールも大いに満足したという。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)


シャツィ → スィアチ(Thiassi)


自由の女神Statue of Liberty
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ローマ神話の自由の女神リベルタス(Libertas)に由来。

近代になり、革命期のフランスを象徴する女性像、もしくはフランス共和国の擬人化されたイメージで、自由の象徴とされ、
ロマン派の画家ドラクロワ(Eugene Delacroix)の絵画「民衆を導く自由の女神」(ルーヴル美術館)に描かれた。

一般には自由を象徴する女神像のことで、ニューヨーク港の入口にあるリバティー島にあるものが最も有名。
アメリカの独立100周年およびアメリカとフランス両国の変わらぬ友好を記念し、1886年フランスから寄贈された。

彫刻家フレデリック・バルトルディ(Frederic Bartholdi)の設計になるコンクリート造りの像で、表面は銅板に覆われている。

高さは46mで、奴隷制と独裁政治を意味する鎖を踏みつけて立っており、右手には、自由を掲げる松明、左手には、1776年7月4日と記した独立宣言書を抱えている。

世界女神大事典(松村一男)

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シュウShu
古代エジプトの大気、天空、風の神。
双生児の妹テフヌト(Tefnut)とともに、ヘリオポリス(Hliopolis 太陽の都)の創世神話に最初の夫婦として登場する。
妹であり妻であるテフヌトとの間に、大地の神ゲブ(Geb)、天空の女神ヌト(Nut)を儲ける。

「持上げる者」を意味する名で、ゲブとヌトが抱合っていたのをシュウが天を持上げて彼らを引離したため、それ以後シュウが支えたヌトの腹が天となって
そこには星が輝き、地には草木が生えるようになった。
もともとはデルタ地方で信仰されたライオン神で砂漠の熱風の象徴。
太陽神ラー(Ra)の後継者として権力をふるったが、病気になって信者からも反逆され、ついに息子ゲブに権力を譲り、9日間の嵐ののち空に隠遁した。
(The Encyclopedia Britannica)


ジュノー(Juno) → ヘラ


ジュピター(Jupiter) → ゼウス


シュメール人Sumerian
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メソポタミア地方南部、ティグリス(Tigris)とユーフラテス川(Euphrates)下流で都市を形成し、メソポタミア文明の基礎を築いた民族。

前3000年代の終わり頃、メソポタミア地方南部の平野部で、麦類やナツメヤシの栽培、牛や羊、山羊、豚などの飼育を行い、
キシュ(Kish)、ウル(Ur)、ウルク(Uruk)、ラガシュ(Lagash)などの最初の都市国家を生み出した。
その民族系統は不明で、前4000年紀前半にメソポタミア南部に移動してきたと考えられている。 

彼らの残した都市遺跡として最大のものがウルクである。
ウルクは城壁に囲まれ、公共建築物をもち、約230ヘクタールの居住地をもっていた。

ウルクに次いで繁栄したウルの遺跡からは王墓が発見され、またシュメール人の風貌とその社会を伝える「ウルの軍旗」といわれる遺物も出土してている。
またウルなどの都市には、巨大な神殿であるジッグラト(Ziggurat 聖塔)が建造されている。

またシュメール人は、楔形文字を生み出し、最古の神話「ギルガメシュ叙事詩(The Epic of Gilgamesh)」を残しており、
最近では多数出土した粘土板でシュメール法典の存在が注目されている。

彼らの文化は、メソポタミア文明の最初の段階であるシュメール文化と総称される。
楔形文字はその後もオリエント世界の諸民族の言語を書き表す文字として共通の文字とされ、アケメネス朝ペルシア(Achaemenid Persian)まで続いた。

シュメール法典は古バビロニア王国のハンムラビ法典(Code of Hammurabi)に継承された。
またシュメール人の神話は、その後のオリエントの諸民族に影響を与え、ユダヤ教の旧約聖書を通じてキリスト教にも引き継がれている。

世界史の窓(www.y-history.net/appendix/wh0101-009.html)

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シュリーマンHeinrich・Schliemann [1822-1890]
ドイツの考古学者。
貧しい牧師の家に生れ、店員、商会の書記などの職業を経たのち、ロシアで実業家として成功し、巨富を得た。
41歳で業界を引退し、世界漫遊旅行ののち、パリで考古学を学ぶ。
少年時代に感動を受けたホメロスの物語が架空のものではないと信じ、トロイ発見のためトルコのヒッサリク(Hissarlik)を発掘し (1871~73) 、
城壁、財宝などを発見して、トロイ文明の実在を証明した。
さらに、ミュケナイ(1976) 、オルコメノスOrchomenos (1980) 、ティリュンスTiryns (1984~85) をも発掘し、ミュケナイ文明の存在を明らかにした。
彼は近世最大の考古学者の一人であり、ギリシアの先史文明を考古学的に実証した功績はきわめて大きい。
(The Encyclopedia Britannica)


シュリンクスSyrinx
アルカディアのラドン河神の娘。(ナイアス Naias 水のニンフ)
片思いの半獣神パンに追われ、ラドン河岸まで逃げ延び、そこのニンフたちに頼んで、パンにつかまえられる瞬間、あし(葦)に変身した。
パンは風にそよいで鳴るあしの葉から思いついて、幾本かのあしの管をろうでつけて笛をつくり、
シュリンクス (パンの笛) と名づけ、これを奏した。
(The Encyclopedia Britannica)


小アジアAsia Minor
黒海・地中海・エーゲ海に囲まれ、アジア西部に突出し、バルカン半島と相対する半島の地域。アナトリア(Anatolia)とも呼ばれる。
現在トルコ共和国領。古代以来、ヒッタイト(Hittite BC1680)、リディア(Lydia BC685)、
アケメネス朝ペルシア(Achaemenid Empire BC546)、セレウコス朝シリア(Seleucid Empire BC312)、共和制ローマ(BC64)、
東ローマ帝国(395年)などの支配下にはいり、のちオスマン帝国領(1453年)となった。
(The Encyclopedia Britannica)


シラクサSiracusa
イタリア共和国のシチリア島南東部に位置する都市。
古代ギリシアの植民都市シュラクサイ(Syrakusai)に起源を持つ都市で、アポロ神殿、ギリシア劇場など古代からの遺跡や建築物が現存する。
2005年近郊のパンタリカ岸壁墓地遺跡(Pantalica) とともに世界遺産の文化遺産に登録された。
(The Encyclopedia Britannica)


白雪姫Snow White
グリム兄弟(Brothers Grimm)の「グリム童話集」(Grimms' Fairy Tales)に採録されたドイツ民話。

継母に殺されそうになり、森の7人の小人に救われた白雪姫は結局毒りんごを食べて死ぬが、やがて王子の出現で蘇生する。
白雪姫と王子の婚礼に招かれた継母は、罰として火で焼かれた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊り続けさせられた。

魔女狩りが盛んであった時代のヨーローパでは、魔女は人肉を喰らうと信じられていた。
不思議な鏡を操り、白雪姫の殺害を企てた継母は、明らかに魔女と考えられていた。

「継母=魔女=悪の権化」のイメージと対照的な「白雪姫=純潔=正義の女神」のイメージが付与され、魔女が厳しい火刑に処されるのは、
正義による悪の駆逐、勝利を物語っているのである。
世界女神大事典(大澤千恵子)



シルフSylph/シルフィード(Sylphid)
風の要素を持つ目に見えない元素霊。
風に関するあらゆる事象を司り、その存在は不可視であるとされる。

また形は人間に似るが魂がなく、人間の愛を得てようやく人間と同じく不滅の魂を得るという。
女性形でシルフィードとも呼ばれる。

16世紀の錬金術師パラケルスス (Paracelsus) が、著書「妖精の書」(Liber de Nymphis, Sylphis, Pygmaeis et Salamandris et de caeteris Spiritibus)
で定義した四大元素霊 (地、水、火、風) のうち、風に属するとされた自然霊 (Nature spirits) である。
(Wikipedia, the free encyclopedia)


シレノスSilenos
ヘルメスまたはパンとニンフの子。
太鼓腹と獅子鼻をもつ短躯の老人で、外見はすこぶる醜く、陽気で好色で常に酔払っているが、実は賢者で予言の能力をもち、
ディオニュソスの守役としてその教育にあたったとされ、ロバにまたがり、ニンフやサテュロスたちとともに、この神の行列につき従うとされた。
(Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology by William Smith)


ジンJinn
アラビアの説話集「千一夜物語 (One Thousand and One Nights)」に登場する変幻自在の魔人。
その姿は一様でなく、大きさも形も自在に変えることができる。
性格もさまざまで善良なものもいれば性悪のものもいる。
「アラジンの魔法のランプ」に登場するアラジンはランプの精 (ジン) の魔法によって国王になった。
また炎の魔人として知られるイフリート (Ifrit) は、性格が獰猛かつ短気で悪性ジンの一種とされている。
しかし説話集の中では、女性をさらって大理石の箱の中に閉じ込めたが、眠っている間に次々と浮気をされてしまったという話や、
漁師に騙されて青銅の壷に封印されてしまうなどの間抜けな一面も多く見られる。
ジンは姿だけでなく性格も多様で、人間っぽいところもあるようである。
John R. Hinnells (New Dictionary of Religions)


シンティエスSinties
オリュンポスからゼウスに投げられたヘファイストスを手厚く看護したレムノス島(Lemnos)の種族。


シンデレラCinderella
フランスのシャルル・ペロー(Charles Perrault)の「童話集」に収められた童話のヒロイン。
継母にいじめられていた娘が妖精の手をかりて舞踏会に出て王子に見そめられ、あとに残したガラスの靴が手掛りとなって
王子と再会、結婚して幸福をつかむという物語。

フランスは、ヨーロッパの中でも土着的な妖精信仰が盛んであったが、シンデレラを助ける妖精フェー(Fee)は、
その語源が示すとおりの運命(Fate)の女神である。

したがって、シンデレラが王子と結婚するという結末は、持って生まれた運命であったことになり、
そこには古来の運命観が息づいており、王位を神から授かったものとして身分制度を肯定する当時の価値観念を見ることができる。
世界女神大事典(大澤千恵子)


シンデレラコンプレックスCinderella complex
自立できない女性が、シンデレラのように、理想の男性が現れて幸福にしてくれるのを待つ心理。
1981年にアメリカの女流作家コレット・ダウリング(Colette Dowling)が提唱した概念。

「女性は外から来る何かが自分の人生を変えてくれるのを待ち続けている」という意識があることから、この名称がつけられた。
結婚が目前まで迫っているような恋が破談してしまう場合は、シンデレラコンプレックスによって今の恋を幻想のように考えてしまっていることが原因であり、
女性の自立を拒む要因とも言われている。
(Wikipedia, the free encyclopedia)



神武天皇(じんむてんのう)/神日本磐余彦天皇(かむやまといわれびこのすめらみこと)
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古事記や日本書紀によれば、神武天皇は、アマテラス(天照大神)の子孫であり、日本の初代天皇である。

日本書紀によると、日向にいたとき、東の方に都をつくるのによい土地があると聞いて「東征」の旅に出る。
海路や陸路で近畿へ進み、地元勢力と戦いを交えながら、大和の橿原(奈良県)に都を定めたと伝えられる。

その後、大和を平定、紀元前660年2月11日に初代天皇として即位、これが現在の建国記念の日になっている。

農業神であった神武天皇は即位から三年間、大和の民に稲種をもたらし、水稲栽培の普及に尽力した。
そして即位四年目に、稲の収穫を祝い国家安泰を祈願する大嘗祭の儀式を行っている。(日本書紀・神武紀)

大和の地に定着した水稲栽培は、弥生時代の幕開けを告げ、ここに農業立国日本の礎が築かれたのである。

なお、日本書紀の記述によれば、神武天皇は紀元前711年に生まれ、紀元前585年に崩御したとされている。
享年127歳という驚異的な長寿であるため、神武天皇の実在が疑問視されるのではないかという説がある。

だが実をいえば、アマテラスという最高神の子孫にしては、寿命が短すぎるというのが正しい認識なのだ。

古事記の伝承によれぱ、神武天皇の曾祖父であるニニギノミコトは、山神(やまつみ)の娘である
木花咲夜姫(このはなさくやひめ)を妃にしたのだが、この姫は、美人だが薄命の象徴であった。

そのため、子孫の天皇の寿命は、神々に比べて短くなってしまったと伝えられている。(古事記・天孫降臨)

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新約聖書Novum Testamentum/New Testament
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キリスト教徒にとって聖書の第2部、旧約と呼ばれる第1部と並ぶ正典。
内容は 27の書から成り、イエス・キリストの生涯と死と復活および初代教会の発展についての信仰証言となっている。
新約の名は「新しき契約」 (マルコ福音書 14・24) という語に由来する。

神がモーセ(Moses)を通して与えた救いの契約すなわち旧約は民の律法の義務の不履行によって破られたが、
十字架上のイエスの受難を通して、神と人類すべての間に新しい契約が結ばれたとする。
「Novum Testamentum」という語はカルタゴ(Cartago)の著述家テルトゥリアヌス(Tertullianus)以来術語として定着した。

新約聖書の原本は残っていないが、その最古の基礎資料として 72のパピルス写本 (断片のみ、2~3世紀) があり、
テキストの貴重な証拠となっているほか、4世紀にさかのぼる良好な羊皮紙写本が保存されている。
写本以外の資料としては、聖書の古代訳 (イタラ Itala、ウルガタ Vulgata、シリア語訳、コプト Coptic 語訳)
と教父たちの著作に散見される新約聖書の引用文がある。

(1)マタイによる福音書(Matthew)
(2)マルコによる福音書(Mark)
(3)ルカによる福音書(Luke)
(4)ヨハネによる福音書(John)
(5)使徒行伝(Acts)
(6)ローマ人への手紙(Romans)
(7)コリント人への第一の手紙(1 Corinthians)
(8)コリント人への第二の手紙(2 Corinthians)
(9)ガラテヤ人への手紙(Galatians)
(10)エペソ人への手紙(Ephesians)
(11)ピリピ人への手紙(Philippians)
(12)コロサイ人への手紙(Colossians)
(13)テサロニケ人への第一の手紙(1 Thessalonians)
(14)テサロニケ人への第二の手紙(2 Thessalonians)
(15)テモテヘの第一の手紙(1 Timothy)
(16)テモテヘの第二の手紙(2 Timothy)
(17)テトスヘの手紙(Titus)
(18)ピレモンヘの手紙(Philemon)
(19)ヘブル人への手紙(Hebrews)
(20)ヤコブの手紙(James)
(21)ペテロの第一の手紙(1 Peter)
(22)ペテロの第二の手紙(2 Peter)
(23)ヨハネの第一の手紙(1 John)
(24)ヨハネの第二の手紙(2 John)
(25)ヨハネの第三の手紙(3 John)
(26)ユダの手紙(Jude)
(27)ヨハネの黙示録(Revelation)

(The Encyclopedia Britannica)

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スィアチ/シャツィThiassi
北欧神話に登場する巨人。アルヴァルディ(Alvaldi)の息子。
ヨトゥンヘイム(Jotunheim)の山奥にあるスリュムヘイム(Thrymheim)に娘のスカジ(Skadhi)と一緒に住んでいる。
鷲に変身できる羽衣を使ってアース神族(Aesir)を苦しめた逸話が残っている。→ イドゥン(Idun)
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)



水車小屋Water Mill
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その昔、田園の小川のほとりはロマンチックな逢引の場所のひとつだった。

そこはまた穀物を粉にする水車小屋のある所でもあった。

水車小屋は、作業にかかる人員を大幅に削減できる施設であり、中世の領主たちは、
穀物を製粉する「粉挽き」と呼ばれる職業の者をやとって小屋を管理させていた。




水車小屋は略奪を防ぐために堅牢に作られ、銃や刀剣などの武器も装備されていた。

どこからともなく流れてくる水を用いて製粉を行う水車小屋は、どこか神秘的であり、
農民たちにとっては異界のような場所だったという。

ケルト神話に登場する水車小屋の妖精キルムーリス(Killmoulis)などは、
こうした印象を元に生み出されたものだと考えられる。




主食がパンであったヨーロッパにおいては、大量の製粉設備が必要であり、5世紀から
12世紀の中世において、ヨーロッパ全域に水車が利用され最盛期を迎えた。

18世紀初頭、蒸気機関の発明とともに、水車の数は激減することになる。

だが水車の牧歌的景観は田園風景によくなじむものとして、観光目的などで残されたり、
再建されたりしている。  → キルムーリス

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スヴァルトアルファヘイムSvartAlfaheim
世界を構成する九つの国のひとつで、黒エルフ(Svartalfar)や小人族の居住する国。
ミドガルド (Midgard)のすぐ下にある。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)


スカイア門Skaiai
トロイ城門。


スカジSkadhi
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北欧神話に登場する山を司る地母神。巨人スィアチ(Thiassi)の娘。

父親のスィアチは、豊穣の女神イドゥンを攫ってアース神族(Aesir)を壊滅の危機に追いやった難敵であった。
→ イドゥン(Idun)
その娘であるスカジは父の仇討ちの為にアズガルド(Asgard)に乗り込んでくるが、アース神族たちは
スィアチの娘である彼女を敵に回すのを危ういと考えたか、和解交渉に乗り出す。

そこでスカジにアース神族との結婚を勧めることにしたが、彼女はとりわけ美男子と誉れ高い光の神バルデル(Balder)
を所望する。しかしバルデルは主神オーディン(Odin)の息子で、しかもオーディンの妻フリッグ(Frigg)が
溺愛する神々の貴公子である。

おいそれと渡すわけにもいかず、神々は数柱の神を呼び寄せて頭から布を被らせ、足だけでバルデルを当てさせ、
たとえ外れたとしても選んだ男神を夫とすることを条件とした。
結果、スカジはバルデルでなくニヨルド(Njord)を引き当ててしまい、彼と結婚することになった。

始めはそれなりに仲睦まじく過ごしていた両者だったが、互いの領分である海と山を往復する生活と、
スカジはカモメの鳴き声が、ニヨルドは狼の遠吠えがそれぞれ我慢できず、二神は破局を迎えてしまう。

以降、彼女は父の遺したスリュムヘイム(Thrymheim)の館を住まいとしたという。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)

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スカマンドロス河Skamandros
トルコ北西部を流れるメンデレス(Menderes)河の古称。


スキードブラドニルSkIdbladnir
フレイ(Frey)が所有する船。
帆を上げれば常に風を受け、望む場所に進むことができ、折りたためばポケットに収まるほど小さくすることができるという優れものである。
「イーヴァルディ(Ivaldi)の息子たち」作。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)


スキュラSkylla
海神フォルキュス(Phorkys)とケト(Keto)の娘。
オデュッセイアでは、カリュブディスとともに、オデュッセウスの帰路の航海を妨げた海の怪物。
足が 12本あり、三列の歯をもった六つの頭をもち、オデュッセウスのすぐれた部下を六人食った。
後代の物語 (オウィディウス Ovidius 『変形譚』巻八) では、もと彼女はあどけない美少女で、漁師のグラウコス(Glaukos)が彼女に恋をしたが、彼女は彼の愛を受入れなかった。
ために彼はキルケに、スキュラの心が自分に向くようにしてほしいと頼んだが、グラウコスを憎からず思っていたキルケは魔法の薬汁を使って、スキュラを恐ろしい姿に変えたといわれる。
(オウィディウス Ovidius『変形譚 Metamorphoses』巻八)(トマス・ブルフィンチ Thomas Bulfinch 『The Age of Fable (伝説の時代)』第七章)


スケリア島(Scheria)→ ファイアケス島



朱雀Vermilion Bird
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朱雀(すざく)は、中国の伝説上の神獣であり、南方を守護する神鳥とされる。

赤という色は、古代中国の五行説において南が火、火が赤である事に関連している。

赤い翼を広げた鳳凰状の鳥形で表され、その翼は災厄を祓い、福を招くと伝えられる。

また、不死鳥(Phoenix)と同一視される事もある。

玄武、青龍、白虎とともに、天の四方を司る四神(Four Symbols)のひとつとされ、
北を玄武、東を青龍、西を白虎と、それぞれが各一方を分担して守護している。

朱雀と相対する方角には玄武がおり、一説ではこれが鶴亀の由来となっている。



日本では、奈良県の薬師寺金堂の本尊台座や、明日香村のキトラ古墳の石室内壁に朱雀が描かれている。
その他、神田明神、秩父神社など多くの場所で四神の彫像や絵を確認できる。

唐の長安の都でも、朱雀は朱雀大路(すざくおおじ)となり、その名をもって都に暮らす人々を
守護する役割を担っていた。


→ 玄武(げんぶ)、青龍(せいりゅう)、白虎(びゃっこ)

世界の幻獣大事典(広済堂)

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スサノオSusanoo(須佐之男)のヤマタノオロチ(八俣遠呂智)退治 (出雲伝説)
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地上に降り立ったスサノオが川辺を歩いていると、近くですすり泣きが聞こえる。

何ごとかと思った彼は、剣を手にし、身構えながら、とある家の中に入った。
すると、そこには泣いている老夫婦と、クシナダ姫という美しい娘がいた。

聞けば、この娘は末娘で、他の七人の娘は、ヤマタノオロチに次々に食べられてしまった。
頭が八つあるその恐ろしい大蛇は、まもなく獲物を求めて、村にやってくるという。

スサノオは、彼らの悲しみに心を動かされ、ヤマタノオロチを退治しようと決意する。
そこで彼は、老夫婦に命じて、八つの樽を用意させ、強い酒をなみなみと入れさせた。

こうして敵を迎え撃つ準備を整えたスサノオは、時が訪れるのを静かに待った。

ついにヤマタノオロチが姿を現した。
川辺までやって来た大蛇は、酒の香りをかぎつけると八つの頭を伸ばし、酒樽に突っ込んで、中の酒を勢い良く飲みはじめた。

やがて大蛇は、八つの頭を全て地に伏せ、すさまじいイビキをかきながら酔いつぶれてしまう。
これを見たスサノオは、すかさず剣を抜き放つと、大蛇の八つの頭を全て切り落としてしまった。

このとき、ヤマタノオロチから流れ出した血は、川辺全体を真っ赤に染めあげたという。
こうして大蛇を退治したスサノオは、クシナダ姫を妻とし、多くの神々をもうけた。

(古事記、日本書紀)

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ステュクスStyx
オケアノスとテテュスの娘で、現世と冥界の境であるスティクス河のニンフ。(ランパド Lampad 冥界のニンフ)
オリュンポスの神々とティタンたちとの戦いが始ると、ゼウスの呼びかけにまっさきに応じて戦ったので、ゼウスはその報酬として、
神々がステュクスの水にかけて立てた誓いは、最も厳粛な誓約とされ、もしそれを破れば、神の特権である不死性を失うとされた。
また、魔力を有する河で、テテュスは、アキレウスをこの河に漬けて不死身にしたという。
パラス(Pallas ティタン神族のクレイオス Kreios の子)との間にゼロス(Zelos)、ニケ、クラトス(Kratos)、ビア(Bia)を産んだ。
(アポロドロス 第ニ巻 2-4,2-5)
(Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology by William Smith)


ステントルStentor
トロイ戦争のときギリシア側にいた兵で、大声で名高かった。


ストロフィオスStrophios
フォキス王(Phokis)。
アガメムノンの姉妹アナクシビア(Anaxibia)との間にピュラデス(Pylades)を儲けた。

2 ピュラデス(Pylades)とエレクトラ(Electra)の子


スニオン岬Cape Sounion
アッティカ半島の最南端にある岬。
ポセイドンの神殿跡があることで知られる。
(Cities and Locations of Ancient Greece by Bernard Suzanne)


スパルタSparta
ペロポネソス半島南部にあった都市国家。
ペロポネソス同盟の盟主となり、アテナイやテバイなどと覇権を争った。
他のギリシア諸都市とは異なる国家制度を有しており、とくに軍事的教育制度は「スパルタ教育」として知られる。
(The Encyclopedia Britannica)


スパルトイSpartoi
「蒔かれた者たち」の意。
テバイ王カドモス(Kadmos) が土中から生じさせたという戦士たちの呼び名。
大蛇を退治したカドモスがアテナの助言に従い、その歯を抜いて耕した地面にまくと、完全武装したまま生れ出て、すぐに互いに殺し合い、五人だけが生き残った。
この五人はカドモスの家来になり、彼と協力しテバイ市を建設してその最初の住民になったとされる。
(Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology by William Smith)


スフィンクスSphinx スピンクス
オルトス(Orthros)とエキドナ(Echidona)の子。(一説では、エキドナとテュフォン Typhon の子。アポロドロス 第三巻 5-8)
顔は女、胸・脚・尾は獅子で、鳥の羽を持つ。
フィキオン山(Phikion)に棲み、一つの声を持ちながら二足、三足、四足になるものは何かという謎をテバイ人にかけ、解けない者を食っていた。
しかし、オイディプスがその問いに対し、赤子のときは四肢で歩き、成人して二足、老年になると杖を第三の足とする人間のことであると答えたとき、城山から身を投じて死んだ。
(The Encyclopedia Britannica)


スーリヤSurya/日天
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インドのヴェーダ(Veda)神話に伝わる太陽神。
3つの目、4本の腕をもった濃い赤色の人間の姿で描写される。
2本の手に蓮華を持ち、3番目の手によって祝福を授け、4番目の手で崇拝者たちを励ますという。

サヴィトリ(Savitr 命を与える者)とも呼ばれるスーリヤは太陽神で、昼は世界を見守り、光、知識、そして生命そのものを住人にもたらすといわれる。
彼は一輪の馬車に乗って空を渡り、季節のサイクルを知らせる。
彼の御者アルナ(Aruna)は朝の神で、スーリヤの強烈な熱から世界を遮蔽する。

ある神話によれば、スーリヤと結婚した女神サラニュ(Saranyu)は、彼の明るさに耐え切れず、雌馬に姿を変えて森に隠れた。
スーリヤは彼女を見つけると牡馬に変身し、彼女との間に数人の子をもうけた。
彼は自分の輝きを抑えることに同意し、ふたりは天の宮殿に戻った。

Myths&Legends(Philip Wilkinson)

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スリュムヘイムThrymheim
北欧神話に登場する巨人スィアチ(Thiassi)の館。その名前は、轟く家(crash home)を意味する。
スリュムヘイムはヨトゥンヘイム(Jotunheim)の山合いにあった。
スィアチが雷神トール(Thor)に倒された後は、娘のスカジ(Skadhi)が一人で暮らした。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)


スルトSurt
北欧神話の巨魔。
世界の南のはてにある火焔界ムスペルスヘイム(Muspellsheim)の支配者。
手に絶えず火花の雨を飛び散らす炎の剣を持つ。
ラグナロク(Ragnarok)の決戦には、火の巨人たちの軍勢を率いて参加し、フレイ神(Frey)と戦ってこれを倒したのちに、世界を焼き滅ぼす。
(The Encyclopedia Britannica)


スレイプニルSleipnir
8本足のオーディン(Odin)の愛馬。
要塞アスガルド(Asgard)の城壁工事に使われた牡馬スヴァディルファリ(Svadilfari)と、ロキ(Roki)の化身の雌馬との間に生まれ、世界中で最も足が速いと言われる。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)


聖なる森Sacred Grove
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森は文字通り、木の集合体であり、森の力とは木の呪力である。

多くの広葉樹の中で特にオーク(Oak)が神聖視されたのは、家や船、家具などの用材、または薪炭としての有用性や、
曲がりくねって大木になった目をひく形のためだけでなく、雷が落ちやすいという事実から、神が天から降りてきて宿る場所と考えられたからである。

ケルトのドルイド(Druid)の語源は「オークの知恵をもつ者」であり、彼らは荘厳な礼拝の場としてオークの森を選んだ。

ローマの博物学者プリニウス(Gaius Plinius)の「博物誌」(ⅩⅥ,95)によれば、ケルトの祭りは月齢6日に執り行われ、
ドルイドは、聖なるオークの木に登り、小鎌でヤドリギ(Mistletoe)を切り落とし、白いマントで包んだ。

彼らはそれから2頭の白い雄牛を生け贄にして儀式を行った。
ケルト人たちは、ヤドリギを豊穣と不死の神木とみなしており、ヤドリギを飲み物に混ぜるとどんな動物も多産となり、
またあらゆる毒の解毒剤になると信じていたからである。

Dictionary of Celtic Myth and Legend (Miranda J.Green)

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生命の樹Tree of Life/セフィロトの樹 (Sephirothic tree)
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へスペリデスの園 (The Garden of the Hesperides) には魔法のリンゴがなっている「生命の樹」があった。
へスペリデスの園は、日々太陽が沈む、はるか西方の不死の庭園で、そこはオリュンポスの女神ヘラの領地だった。

永遠の生命を与えてくれる生命の樹は、ヘラの聖なる竜、ラドン(Ladon)に守られていた。
生命の樹のリンゴは神々の永遠の生命の源泉であり、人聞を近づけないようにと神々が油断なく見張っていた。

しかし、ヘラクレスのような英雄たちは、聖なる樹のリンゴが食べられる至福の園で暮らすことによって、不死の神々になることができたのである。
The Greek Myths (Robert Graves)


2. 神は、東の方のエデン (Eden) に園を設け、自ら形づくった最初の人間アダムとイヴをそこに置いた。
エデンの園の中央には、「知恵の樹」と並んで「生命の樹」が植えられていた。

神によって、知恵の樹の実だけは食べることを禁じられていた。
なぜなら、知恵の樹の実を食べると必ず死ぬとされていたからである。

しかし、イヴは狡猾な蛇の誘惑に負け、神の命令に逆らい、知恵の樹の実をアダムとともに食べてしまった。
その結果、彼女達は、神によって「原罪」を受け、エデンの園を追放されてしまった。

神は生命の樹を、人間が近づくことのないように、ケルビム (Cherubim) と、きらめく剣の炎に守らせた。
それは、生命の樹の実を食べる者は、神と等しき永遠の命を得てしまうからである。

(創世記 2章8節ー3章24節)

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青龍Azure Dragon
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青龍(せいりゅう)は、東方を守護するという中国の伝説上の神獣である。

その名の通り、身体が五行説における東方を象徴する青に彩られている。

朱雀、玄武、白虎とともに、天の四方を司る四神(Four Symbols)のひとつであり、
南を朱雀、北を玄武、西を白虎と、それぞれが各一方を分担して守護している。

相対する方角には白虎がおり、ちょうど龍虎が相対する形となっている。


中国において、龍は水中にすみ、時に空に昇って雲を起こし、
雷雨をもたらす神聖な動物とされ、

旱続きの大地に雨をもたらす富の象徴であり、また国土繁栄の象徴でもある。


古代の中国には、三国時代など、幾度か青龍という年号が存在する。
国の安定と繁栄を願い、この神獣の名が付けられたと考えられる。

また、刀剣として名を馳せている「青龍刀」は、柄に青龍が刻まれて
いたことに由来している。

日本では、奈良県の薬師寺金堂の本尊台座や、明日香村のキトラ古墳の
石室内壁の東側壁にも青龍が描かれている。


→ 朱雀(すざく)、玄武(げんぶ)、白虎(びゃっこ)

世界の幻獣大事典(広済堂)

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聖霊Holy Spirit
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万物の源泉であるロゴス(Logos)。

はじめに神、天地を創造(つくり)たまへり。
地は定型(かたち)なく、昿空(むなし)くして、黒暗淵(やみわだ)の面(おもて)にあり。
神の霊、水の面(おもて)を覆(おほ)ひたりき。
神、光あれと言給(いひたま)ひければ、光ありき。(創世記1:1-3)

神が天地を創造する以前、即ち、全てのものが存在する前に、神はすでに存在していたのである。
「ヨハネ福音書」の冒頭では、原初の存在が神の言(ロゴス)であることを明言している。

はじめに言(ことば)あり、言(ことば)は神と偕(とも)にあり、言(ことば)は神なりき。(ヨハネ福音書1:1)

もろもろの天は神の御言葉によりて成り、天の万軍は神の御口(みくち)のいぶき(聖霊)によりてつくられたり。(詩篇33:6)

はじめに創られた天地は混沌とした闇の深淵の中にあった。
神は、一面の闇の海原であった原初の天地に、神の言(ロゴス)、即ち聖霊によって秩序と光をもたらした。

即ち、混沌と闇の中に、生命の創造的な根源としての聖霊が働きかけ、宇宙という秩序と調和の世界が創られたのである。

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精霊Spirit
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人間と同じ世界に住み影響力を及ぼす超自然存在の概念。
この語が神を指す場合もあるが、たいていは神よりも力が劣り、活動範囲も限られている。
あらゆる文化では、程度の差こそあれ、精霊が神話や民間伝承の中に登場する。
その性格、活動、人間や上位の神とのかかわりは、各社会でさまざまな形で信じられ、伝承されている。

各地の主な精霊

ギリシア・ローマ
アイオロス(Aeolus) アイギナ(Aegina) アトロポス(Atropos) アルキュオネ(Alcyone) アンティオペ(Antiope) ウンディーネ(Undine) 
エウリュノメ(Eurynome) エムプーサ(Empusa) エレクトラ(Electra) オイノネ(Oenone) オケアニス(Oceanids) ガラティア(Galatea) 
カリオペ(Calliope) カリュプソ(Calypso) キュレネ(Cyrene) コリュバンティス(Korybantes) コロニス(Coronis) 
サテュロス(Satyr)スキュラ(Scylla) セイレン(Siren) ダフネ(Daphne) タユゲテ(Taygete) タレイア(Thalia) テティス(Thetis) 
テルプシコラ(Terpischore) トリトン(Triton) ドリュアデス(Dryad) ナイアス(Naiad) ナパイア(Napae) ニンフ(Nymph) 
ネレイス(Nereid) ハマドリュアデス(Hamadryad) ハルピュイア(Harpy) ヒュアデス(Hyades) フォーン(Faun) プレイアデス(Pleiades) 
ペイレーネ(Pirene) ヘスペリデス(Hesperides) マイア(Maia) ムーサイ(Muses) メンフィス(Memphis) モイラ(Moirae) ラミア(Lamia) ララ(Lara) 

ヨーロッパ
インプ(Impe) ヴィヴィアン(Vivienne) ヴァルキュリー(Valkyries) エルフ(Elf) オベロン(Oberon) 親指トム(Tom Thumb)
グレムリン(Gremlins) サンタクロース(Santa Claus) ピクシー(Pixie) トロール(Troll) ドワーフ(Dwarf) ナイトメア(Nightmare) 
ノルン(Norns)ノーム(Gnome) ポルターガイスト(Poltergeist) マーメイド(Mermaid) メフィストファレス(Mephistophales) 
モルガン・ル・フェ(Morgan le fay) 雪の女王(Snow Queen) ローレライ(Lorelei) 

中東
天使(Angel) ミカエル(Michael) ラファエル(Raphael) ガブリエル(Gabriel) ケルビム(Cherubim) 悪魔(Devil) ルシファー(Lucifer)
ベルゼブブ(Beelzebub) リリス(Lilith) ジン(Jinn) ダキニ(Dakini) デーヴァ(Dewas) アスラ(Asura) ドゥルガー(Durga) ナーガ(Nagas) 

中国
神仙 西王母 竜王 織女 孫悟空 猪八戒 沙悟浄 青龍 地蔵 白虎

日本
鬼 河童 天狗 鬼子母神 人魚 物の怪(森の精)山姥 雪女

Spirits, Fairies, Gnomes, and Goblins (Carol Rose)
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セイレンSiren
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ムーサのメルポメネ(Melpomene)とアケロオス河神(Acheloos)との間に生まれた娘たちペイシノエ(Peisinoe)、
アグラオペ(Aglaope)、テルクシエペイア(Thelxiepeia)を指す。

一人は竪琴を弾き、一人は歌い、もう一人は笛を吹いて船乗りを惑わす海の魔女。
その歌を聞いた船乗りは引き付けられて,セイレンの島に上陸、飢え死にしたといわれる。

アルゴ船の乗組員たちがここを通ったときには、オルフェウスが彼女たちに対抗して竪琴をかなで、無事通過したが、
アテネ人のブテス(Butes)のみは海中に飛び込み、アフロディテに救われた。

オデュッセウスがキルケの島を出てセイレンの島を通りかかった際には、キルケの忠告により、部下の耳は蝋(ろう)でふさぎ、
部下に自分を帆柱に縛り付けさせたので、歌声を聞いて彼女たちの島に行こうとしたが、身が動かせなかったために、無事通過できた。

セイレンたちは、自分たちの歌を聞いた人間が無事なのを怒って、海中に身を投げ石に変わったという。

セイレンたちは、風をおさめる力と、死者を冥界に送る役目を有するとされ、墓石の上にしばしば彼女たちの姿が見いだされる。

(Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology by William Smith)

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ゼウスZeus/ジュピター(Jupiter) 天空神・雷神。
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「天空」の意。クロノスとレア(ティタン神族)の子。最高神。
クロノスが兄姉たちを飲み込んだ後、ガイアに助けられ、クレタ島のディクテの洞穴で生まれた。
そしてクレテス(Kreteus 精霊)やニンフたちによりアマルテイア(Amaltheia 山羊)の乳で育てられた。

父クロノスとその兄弟ティタン族との戦い(ティタノマキア Titanomachia)では、タルタロスに投げ込まれた者たちを味方にすれば
勝利を得るだろうというガイアの予言に従い、キュクロプスとヘカトンケイル(Hekatoncheir)を解放した。

キュクロプスたちは、ゼウスに雷霆(らいてい)を、ハデスにはかぶると姿の見えなくなる兜(Helm of Hades)を、
ポセイドンには三叉の矛(トライデント)を贈った。
ゼウスたちは、これらの武器でティタン族を征服し、彼らを奈落タルタロスに幽閉し、ヘカトンケイルたちを牢番に任命した。

そしてくじによって、ゼウスは空、ポセイドンは海、ハデスは冥界の支配権を得ることになった。
ゼウスは、多くの女神や人間の女と交わって多くの子供を得た。


アイギナ(ナイアス Naias 水のニンフ)との間にアイアコス、
アルクメネ(ミュケナイ王エレクトリュオン Elektryon の娘)との間にヘラクレス、


ゼウス



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セトSet
エジプト神話の戦の神。
初めは上エジプトの地方神であったが、次第にその邪悪な性格が強調され、オシリス神話では、肥沃な土地や豊かな水や光に対する不毛の砂漠、
乾燥、暗黒を人格化した破壊、悪の神とされた。
そこでは、オシリス(Osiris)の弟として王位を奪うため兄を殺すが、結局兄の遺児であるイシス(Isis)の子ホルス(Horus)により打負かされる。

ヒクソス(Hyksos)の占領期には、ヒクソスの主神である戦神ステク(Sutech)と同一視された。
そののち時代が下るにつれ、セトは迫害され一種の悪魔とみなされるにいたった。
四角い耳と長い曲った鼻面をもつ動物の姿で、または肩の上に四足獣の頭を載せた人間として表わされる。
(The Encyclopedia Britannica)


ゼトスZethos
ゼウスとアンティオペ(ナイアス Naias 水のニンフ)の子。アムフィオンの兄弟。
生後すぐキタイロンの山中に捨てられたが、羊飼いに拾われて成人した。
母を迫害していた大伯父リュコスとその妻ディルケを殺し、テバイの支配者となった。
七つの城門をもつ有名なテバイの城壁を建設したのは彼らで、そのおり大力のゼトスは石を背負って運んだが、音楽の名手であったアムフィオンは、
竪琴を奏で石を動かしたという。
アムフィオンはタンタロスの娘ニオベと結婚し、多くの子宝に恵まれたが、ニオベがあるとき、自分は母としてアポロンとアルテミスを生んだレト女神にまさると自慢したため、
息子と娘たちはそれぞれ、アポロンとアルテミスの矢に射殺され、彼自身もアポロンに殺されたという。
(The Encyclopedia Britannica)


ゼピュロス → ゼフュロス


ゼフィルス → ゼフュロス


セフィロトの樹 (Sephirothic tree) → 生命の樹


ゼフュロスZephyros  ゼピュロス、ゼフィルス
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アストライオス(Astraios)とエオス(Eos)の子で「西風」の神。
春の訪れを告げる豊穣の風として知られる。豊穣と花の女神フローラ(Flora)の恋人。

ゼフュロスは、海のニンフであったフローラを娶り、彼女に花を支配する力を与え、
住家として花園を贈った。

フローラの花園には、死後に花に変えられた者たちが住んでいた。
ヒアシンスとなったヒュアキントス(Hyakinthos)もその一人である。

ヒュアキントスは美貌と強壮で鳴らしたスパルタの王子であった。
ヒュアキントスに恋したゼフュロスは彼を求めたが、アポロンも同様であった。

二人の神は若者への愛を競ったが、ヒュアキントスはアポロンを選んだ。
ゼフュロスは嫉妬に狂わんばかりとなった。

のちに円盤投げをしているアポロンとヒュアキントスを見付けたゼフュロスは、一陣の突風を彼らに吹き付け、
落下した円盤を若者の頭に打ち付けた。

若者は息を引き取った。アポロンは嘆き悲しんだ。
若者の血が染み込んだ地面からは、真っ赤なヒヤシンスの花が咲いた。

(アポロドロス 第一巻 3-3, 第三巻 10-3)(The Encyclopedia Mythica)


ビーナスの誕生(The Birth of Venus)ボッティチェリ(Botticelli)1485年

ゼフュロスとフローラ(左の男女)は、共に口から風を吹き起こし、生まれたばかりの愛と美の女神ビーナス(アフロディテ)を
キプロス島の陸地に届けようとしている。絹のローブを携えて陸地で待ち受けるのは、季節と秩序の女神ホーラ(Hora)である。


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セメレSemele
ディオニュソスの母。
テバイの初代の王カドモスとハルモニアの娘で、ゼウスの愛人となり妊娠したが、乳母の姿をかりて彼女をだましたヘラの奸計にかかって、
ゼウスに本体を見せてほしいと強要し、雷神の熱によって焼殺されてしまった。
しかし胎児のディオニュソスは、ゼウスによって母体より救い出されて、無事に成長し、のちに冥界から母を連れ戻し、オリュンポスの神々の仲間入りをさせたという。
(Greek Myths & Greek Mythology by greekmyths-greekmythology.com, Dionysus Semele)


セラピス(Serapis)→ アピス


セレネSelene/ルナ(Luna) 月の女神。
ヒュペリオン(ティタン神族)とテイア(ティタン神族)の娘。エオスとヘリオスの姉妹。
羊飼いのエンデュミオン(Endymion)に求愛したが、不老不死を望んだエンデュミオンはゼウスに願って永遠の眠りについたと言われる。
(アポロドロス 第一巻 7-5)


善悪の知識の木 (Tree of the knowledge of good and evil) → 知恵の樹



占星術Astrology
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人間の運命は天体に支配されているという思想で、古代バビロニア人が考案した黄道十二宮(Zodiac)が占星術のルーツとされる。
中世を経てルネサンス期に爆発的な支持を集め、神秘学の中心的学問となった。

占星術は、星座や惑星と地上の出来事を関係づけて、未来を予見したり、人の性質を判断するものだが、
ある特定の瞬間の太陽、月、惑星および地表の位置関係を記号で図式化したものをホロスコープ(Horoscope)といい、
「黄道十二宮」、「十二室」(house)、「惑星」(Planet)、「アスペクト」(Aspect 角度)などの要素で構成される。

個人のホロスコープは、普通誕生時につくられ、占星術師により個人の性格や未来の予言に使われる。
これは、個々の天体がそれ自身の神秘的な性格をもち、さらにそれは各時点での他の天体との
相互の位置関係にも影響されるという信仰に基づく。
宇宙のすべての現象は互いに干渉し合っているので、これらの天体は人間の運命にも影響すると考えられたのである。

なお、黄道の「春分点」は牡羊座から始まるが、そこに星座の牡羊座があるわけではない。
これは黄道の春分点が約2,160年で約30度づつ移動しているためで、占星術が始まった当時は「春分点」は牡羊座に
「秋分点」は天秤座にあったが、自転のズレで現在、「春分点」は魚座に「秋分点」は乙女座にあるためである。

なぜ占星術が、人の運命を占えるのか。
「生命の誕生の際に、天空から力が流れこむ。
天空の惑星の配置によってその力の質はいろいろに変わる。

こういった力の影響は、人間の幸福の要素のうち、性格、肉体的条件、守護神を決定する。
星は生誕のときにのみ直接的に影響をおよぼし、その後の成長には直接的影響をおよぼさない。
それを決定するのは人間の自由意志である」

これは17世紀の天文学者であり占星術師でもあったヨハネス・ケプラー(Johannes Kepler)が、
ギリシア的運命論にもとづく占星術と、神や人間の意志を尊重するキリスト教教義をぎりぎりまで擦り合わけ、地上での出来事と関係づけた。
この黄道十二宮の性質の解釈の仕方が、占星術の奥義である。


占星術   



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ソフォクレスSophokles  [前496-前406]
ギリシア三大悲劇詩人の一人。
俳優をニ人から三人に、コロスを 12人から 15人にふやし、背景に絵を使い、3部作形式をやめて一編ずつ独立させ、主役の性格と演技を重視するなど、悲劇に大改革を加えた。
前 468年以来およそ 120編作り、競演でも 18~24回優勝。
政治にも積極的に関与して将軍に選ばれたほか、たびたび要職についた。
現存作品は『アイアス』(Aias)、『アンティゴネ』(Antigone)(前 442頃上演) 、『オイディプス王』 Oidipous Tyrannos (前 420) 、
『トラキニアイ』 (Trachiniai)、『エレクトラ』 Electra (前 418)、『フィロクテテス』 Philoktetes (前 409)、
『コロノスのオイディプス』 Oidipous epi Kolonoi (遺作、前 401)。
ほかに、サテュロス劇『イクネウタイ』(Ichneutai)の大断片もある。
(The Encyclopedia Britannica)


ゾロアスターZoroaster/ツァラトゥストラ(Zarathustra)  [前630-前553]
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ペルシアの預言者。ゾロアスター教(Zoroastrianism)の開祖。
祭司の家系であるメディア(Media イラン北西部)のスピタマ家(Spitamids)に生まれたとされている。

20歳頃から隠遁生活を始め、30歳頃にアフラ・マズダ神(Ahura Mazdah)から啓示を受けた。
ゾロアスターは、人間の正しい生き方、完全なる正義、霊魂不滅などについて教えを受け、信奉者の間に神への崇拝を広めはじめた。

当時のイランの宗教は、自然崇拝の多神教で、部族ごとのさまざまな神々を崇拝する密儀や呪術が行われていた。
ゾロアスターは、真の神はただひとりであり、その神こそが善の源であると説いた。

彼は旧来の宗教を拒否し、そのなかの好戦的な一部の神々はアーリマン(Ahriman 暗黒と破壊の神)の手先だと主張した。

やがてこの宗教は各地にひろがり、3世紀以降のササン朝(Sassanid)ペルシアでは国教とされた。
またゾロアスター教は中央アジアで活動したイラン民族であるソグド(sogd)商人によって、3~4世紀の南北朝時代に中国に伝えられた。

火を崇拝するため、唐では拝火教ともいわれ、長安などでもソグド商人たちに信仰された。
ゾロアスターが書いたといわれる讃歌は、聖典「アヴェスター(Avesta)」にまとめられている。

(The Encyclopedia Britannica)

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ゾロアスター教Zoroastrianism
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ゾロアスター(Zoroaster)を開祖とする宗教。
主神アフラ・マズダ(Ahura Mazdah)の名から「マズダ教」ともいい、火を神聖視するため「拝火教」ともいう。

ササン朝(Sassanid)ペルシア時代に隆盛をみたが、イスラムの興隆とともに衰微。
現在信徒はインドのボンベイを中心に約10万人、中部イランに約1万人など、総計で 15万人程度。
経典「アヴェスター(Avesta)」はヒンドゥー聖典「Veda」と言語上密接な関係にある。

古代イランの土俗的信仰を基礎に、善神スプンタ・マンユ(Spunta Mainyu)と悪神アンラ・マンユ(Angra Mainyu)の二元論的構造をもつ宗教。
世界を善神と悪神の戦場とみ、世界の歴史を1万2000年とし、それを4期に分割。

第1期はマズダ神の精神的創造期、第2期は物質的創造期、第3期にアーリマン(Ahriman 暗黒と破壊の神)が登場、第4期はゾロアスターが支配。
来世には信者ののぼる天界と非信者の落ちる地獄とがあるが、善悪神の戦いの勝者となる善神により、すべての人々が最後には救われるとされる。
その教理はのちにマニ教(Manichaeism)にも取入れられた。

なお、ニーチェ(Friedrich Nietzsche)の作品の主人公ツァラトゥストラ(Zarathustra)は、この教えの創造者からとった名である。

(The Encyclopedia Britannica)

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ソロモンSolomn
古代イスラエル王国第三代の王にして最後の王。(在位前 961~922)
ソロモンは羊飼いから古代イスラエル王になったダビデ (David) と、その家臣の妻だったバト・シェバ (Bat Sheva) との第二子。
エジプト王の娘と政略結婚し国家の安全を図り、父ダビデが成し遂げられなかったエルサレム神殿を建築した王として知られる。
他方旧約聖書における知恵文学の多く(箴言、詩篇、伝道の書)が彼の作とされている。
しかし王国の繁栄と権力の強化のために、重税と徴用によって国民を疲弊させ、またその積極的外交策の一環として政略的国際結婚を盛んにしたことにより、
異教が導入されたため、彼の死後、王国は分裂した。
(The Encyclopedia Britannica)


ソロモンの指輪Seal of Solomon
イスラエル王ソロモンが所持していたとされる指輪。
エルサレムにおいて神殿を建築中、悪魔がその邪魔をするため、神に祈りを捧げたところ、大天使ミカエル(Michael)より授けられたとされる。
神の名と五芒星が刻印された石製の指輪で、これを悪魔に投げつけることでその悪魔を支配し、意のままに命令することができたといわれる。
その後、ソロモンは悪魔らの尊大さを危険視し、悪魔達を真鍮の壷に閉じ込めてバビロニアの深い湖に沈めた。
後にバビロニアの人々が沈められた壷を発見する。
彼らは財宝が入っているのかと期待して封印を解いてしまい、悪魔達は壺から逃げ出すと、各々地獄の領地へ戻っていったという。
(jewishencyclopedia.com)




 
ゼウスの系譜





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