ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)

生年月日 : 1933/04/09
出身地 : フランス/ヌイイ=シュル=セーヌ
没年 : 2021/09/06

1951年、パリの国立高等演劇学校(コンセルヴァトワール)で学び、
卒業後の1956年、シェイクスピア劇などで舞台経験を積む。

1956年、ノルベルト・ティルディアン監督の「モリエール」で映画デビュー。

1960年、ゴダール監督の「勝手にしやがれ」に主演、無軌道な破滅型の男を演じ、
そのユニークな個性で、ヌーベル・バーグの花形スターとして注目を浴びる。

その後も「いぬ 1963」「リオの男 1964」「気狂いピエロ 1965」「ボルサリーノ 1970」
など、数々の話題作に出演し、アラン・ドロンと人気を二分するスターとして活躍した。



代表作品

      勝手にしやがれ(A bout de souffle)1960年(仏)

自動車泥棒のミシェル(ベルモンド)は、追跡してきた白バイ警官を殺害してしまう。パリへ逃亡した彼は、
アメリカ娘パトリシア(セバーグ)と恋を楽しむのだが、警察の手は間近に迫ってきていた…。

映画の冒頭、主人公ミシェルが、視線をカメラに向けて「…勝手にしやがれ」と、言い放つ場面がある。
ここで観客に向かって「勝手にしやがれ」とは何事だ、と激怒したのが、映画評論家の淀川長治氏である。
映画の作法として、視線は登場人物たちの間でのみ交換されるものである、と淀川氏は言っているのだ。

ゴダール監督から始まった、このような従来の作法を逸脱した上で、新たな映画スタイルを創造しようと
する試みは「ヌーベル・バーグ」と呼ばれ、その後のフランス映画界に多大な影響を与えることになった。

(監督)ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)
(出演)ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)ジーン・セバーグ(Jean Seberg)
 
       
       
    気狂いピエロ(Pierrot Le Fou)1965年(仏)

フェルディナン(ベルモンド)は、金が目的でブルジョアの女と結婚する。だが無気力で退屈な
生活にうんざりし、かつての恋人マリアンヌ(カリーナ)と逃避行をはかる。

漫画本を手に、孤島で毎日を楽しむが、マリアンヌはそんな彼を捨て、兄と称する情夫のもとに
去ってしまう。裏切られ、二人を殺害した後、彼はダイナマイトで自殺をはかる。

どこかボタンのかけ違いをしたような、おかしいけれど愛すべき男という役どころはベルモンドの
ためにあると言ってもいいほどのハマリ役で、そんな男は現実の世界で生きのびることは難しい。
前作「勝手にしやがれ」と同じく、ヒーローの死で本作も幕を閉じる。

(監督)ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)
(出演)アンナ・カリーナ(Anna Karina)ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)
       

モリエール(Molière)1956年
歩いて馬で自動車で(À pied, à cheval et en voiture)1957年
黙って抱いて(Sois belle et tais-toi)1958年
危険な曲り角(Les tricheurs)1958年
二重の鍵(À double tour)1959年
勝手にしやがれ(À bout de souffle)1960年
墓場なき野郎ども(Classe tous risques)1960年
雨のしのび逢い(Moderato cantabile)1960年
フランス女性と恋愛(La française et l'amour)1960年
ふたりの女(La ciociara)1960年
ビアンカ(La viaccia)1961年
モラン神父(Léon Morin, prêtre)1961年
女は女である(Une femme est une femme)1961年
素晴らしき恋人たち(Amours célèbres)1961年
勝負(かた)をつけろ(Un nommé La Rocca)1961年
大盗賊(Cartouche)1962年
冬の猿(Un singe en hiver)1962年
波止場(Mare Matto)1963年
地上最笑の作戦(Il giorno più corto)1963年
バナナの皮(Peau de Banane)1963年
いぬ(Le Doulos)1963年
リオの男(L'Homme de Rio)1964年
太陽の下の10万ドル(Cent mille dollars au soleil)1964年
黄金の男(Échappement libre)1964年
男を追って(La chasse à l'homme)1964年
ダンケルク(Week-end à Zuydcoote)1964年
ある晴れた朝突然に(Par un beau matin d'été)1964年
気狂いピエロ(Pierrot le fou)1965年
カトマンズの男(Les Tribulations d'un chinois en Chine)1965年
タヒチの男(Tendre Voyou)1966年
パリは燃えているか(Paris, brûle-t-il ?)1966年
パリの大泥棒(Le Voleur)1966年
007 カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)1967年
オー!(HO!)1968年
大頭脳(Le cerveau)1968年
暗くなるまでこの恋を(La Sirène du Mississippi)1969年
あの愛をふたたび(Un homme qui me plaît)1969年
ボルサリーノ(Borsalino)1970年
コニャックの男(Les Mariés de l'an II)1971年
華麗なる大泥棒(Le Casse)1971年
ジャン=ポール・ベルモンドの交換結婚(Docteur Popaul)1972年
ラ・スクムーン(La scoumoune)1972年
相続人(L'Héritier)1973年
おかしなおかしな大冒険(Le magnifique)1973年
薔薇のスタビスキー(Stavisky)1974年
ジャン=ポール・ベルモンドの恐怖に襲われた街(Peur sur la ville)1975年
ベルモンドの怪盗二十面相(L'incorrigible)1975年
危険を買う男(L'alpagueur)1976年
追悼のメロディ(Le corps de mon ennemi)1976年
ムッシュとマドモアゼル(L'animal)1977年
警部(Flic ou voyou)1979年
ジャン=ポール・ベルモンドの道化師/ドロボー・ピエロ(Le Guignolo)1980年
プロフェッショナル(Le professionnel)1981年
エースの中のエース(L'as des as)1982年
パリ警視J(Le marginal)1983年
ソフィー・マルソー/恋にくちづけ(Joyeuses Pâques)1984年
ホールド・アップ(Hold-Up)1985年
ライオンと呼ばれた男(Itinéraire d'un enfant gâté)1988年(セザール主演男優賞)
百一夜(Les cent et une nuits de Simon Cinéma)1995年
レ・ミゼラブル(Les misérables)1995年
ハーフ・ア・チャンス(Une chance sur deux)1998年
パリの確率(Peut-être)1999年
アマゾンの男(Amazone)2000年