ジーン・セバーグ(Jean Seberg)

生年月日 : 1938/11/13
出身地 : アメリカ/アイオワ州
没年 : 1979/08/30

1957年、オットー・プレミンジャー監督の「聖女ジャンヌ・ダーク」で主人公を演じ、映画デビュー。

1958年、同監督の「悲しみよこんにちは」に主演。ボーイッシュな髪型が「セシールカット」として流行した。

1959年、ゴダール監督の「勝手にしやがれ」に主演。ヒロイン・パトリシア役で世界中の注目を浴びる。

以後、アメリカやフランスで30本以上の映画に出演し、国際的スターとして活躍したが、
1979年8月、不幸にも、他殺されて短い生涯を閉じた。まだ40歳の若さであった。





代表作品

    悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse)1958年(米/英)

セシール(セバーグ)はもうすぐ18歳。プレイボーイの父親と、その愛人エルザの三人で、リビエラにバカンスに
行った夏。後から彼らの仲間に加わった「大人の女」アンナ(カー)に、父親は首ったけ、結婚すると言いだした。
「母親」の威厳で、セシールの自由を束縛するアンナ。二人の仲を割こうと企んだセシールは…。

セシールは、父親とお揃いのシャツを着ている。しかも友達のように、父親を名前で呼んでいる。女性遍歴が激しい
父親を許すのは、自分が一番愛されている自負があるからだ。だがそんな父親に再婚相手の女性が現れ、セシールは、
嫉妬で落ち着かない夏を過ごすことになる。

ジーン・セバーグ演じるセシールの超ショートカット・ヘアが「セシール・カット」と命名され、大流行した。

(監督)オットー・プレミンジャー(Otto Preminger)(出演)デヴィッド・ニーヴン(David Niven)
デボラ・カー(Deborah Kerr)ジーン・セバーグ(Jean Seberg)ミレーヌ・ドモンジョ(Mylene Demongeot)
       
       
      勝手にしやがれ(A bout de souffle)1960年(仏)

自動車泥棒のミシェル(ベルモンド)は、追跡してきた白バイ警官を殺害してしまう。パリへ逃亡した彼は、
アメリカ娘パトリシア(セバーグ)と恋を楽しむのだが、警察の手は間近に迫ってきていた…。

映画の冒頭、主人公ミシェルが、視線をカメラに向けて「…勝手にしやがれ」と、言い放つ場面がある。
ここで観客に向かって「勝手にしやがれ」とは何事だ、と激怒したのが、映画評論家の淀川長治氏である。
映画の作法として、視線は登場人物たちの間でのみ交換されるものである、と淀川氏は言っているのだ。

ゴダール監督から始まった、このような従来の作法を逸脱した上で、新たな映画スタイルを創造しようと
する試みは「ヌーベル・バーグ」と呼ばれ、その後のフランス映画界に多大な影響を与えることになった。

(監督)ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)
(出演)ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)ジーン・セバーグ(Jean Seberg)
 
       
       
    大空港(Airport)1970年(米)

ローマ行きの旅客機内に、爆弾が持ち込まれているという通報が入った。機長と搭乗スタッフは、
爆弾の入ったアタッシュ・ケースを確保しようとするが、犯人は爆弾もろとも自爆してしまう。

そしてその衝撃で、旅客機の胴体に亀裂が入り、空中分解の危機が訪れる。急遽、旅客機は出発空港
へ向けて転回する。しかし、空港は猛吹雪のため一切の機能を停止していた…。

国際便にトラブルが発生し、機長らは決断を迫られるという航空機パニック映画の先鞭をつけたヒット作。
舞台となる「リンカーン国際空港」は、シカゴのオヘア空港をモデルとしているが、架空の存在である。
これは滑走路の不備など問題の多い空港という設定のため、実在の空港の名前が使えなかったからだ。

実際、無銭搭乗の客がいたり、犯人が手荷物チェック無しで、爆弾入りアタッシュ・ケースを機内持ち込み
できるなど、セキュリティチェックが相当甘いため、事故は起こるべくして起こったと言えるだろう。

(監督)ジョージ・シートン(George Seaton)(出演)バート・ランカスター(Burt Lancaster)
ジーン・セバーグ(Jean Seberg)ディーン・マーティン(Dean Martin)ジャクリーン・ビセット(Jacqueline Bisset)
 
       

聖女ジャンヌ・ダーク(Saint Joan)1957年
悲しみよこんにちは(Bonjour tristesse)1958年
ピーター・セラーズのマ☆ウ☆ス(he Mouse That Roared)1959年
勝手にしやがれ(À bout de souffle)1960年
俺の墓標は立てるな(Let No Man Write My Epitaph)1960年
さよならパリ(Les Grandes personnes)1961年
フレンチ・スタイルで(In the French Style)1963年
立派な詐欺師(The World's Most Beautiful Swindlers)1963年
リリス(Lilith )1964年
素晴らしき男(A Fine Madness)1966年
ペルーの鳥(LES OISEAUX VONT MOURIR AU PEROU)1968年
ペンチャーワゴン(Paint Your Wagon)1969年
大空港(Airport)1970年
殺し(Kill!)1971年