マリー・ベル(Marie Bell)
生年月日 : 1900/12/23
出身地 : フランス/ボルドー
没年 : 1985/08/15
幼い頃から演劇を志し、1921年パリの国立演劇学校を首席で卒業後、舞台女優として活躍。
1924年、ルネ・エルヴィル監督の「巴里」で映画初出演。その気品と憂いに充ちた美貌が一躍注目される。
以後「外人部隊 1934」「舞踏会の手帖 1937」など、フランス映画の代表的女優として活躍した。
「舞踏会の手帖」では、社交界デビューした夜にダンスを共にした男たちを、年を経て訪ね歩く
のだが、変わり果ててしまった彼らの姿に失望してゆくヒロインを演じた。
この作品は本国のフランスより日本で人気があり、評価も高く大ヒットした。人生の虚実を描いた
ような悲愴感が日本人の心情にぴったりと合ったのかも知れない。
代表作品
装(よそを)へる夜(L'HOMME A L'HISPANO)1933年(仏) ジョルジュ(ミュラー)は、借金で破産寸前だったが、ひょんなことから高級車を友人から預かることになる。 気晴らしに、金持ちのフリをして保養地に出かけた。そこで美しい女性(ベル)と出会い恋に落ちる。 だが、自分を富豪と信じている彼女に耐えられず、別れようとするのだが…。 ブルジョア(上流階級)という言葉が示すように、フランスは格差社会である。貧者の辛さを知って育った青年が、 金持ちのフリをして、内実よりもよく見せようとする切ない心情を、ジャン・ミュラーが実に上手く演じている。 (監督)ジャン・エプスタイン(Jean Epstein) (出演)マリー・ベル(Marie Bell)ジャン・ミュラー(Jean Murat) |
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外人部隊(Le Grand Jeu)1934年(仏) ピエールは、パリで愛人のフロレンス(ベル)にふられる。 彼はモロッコに流れて、外人部隊に身を投じ、酒と女に溺れる日々を過ごす。 そんなある日、フロレンスそっくりの女イルマ(ベル)に出会い恋に落ちる。 ブルジョア青年が、派手好きなパリの女に入れあげ、多額の借金をつくり、外人部隊に身を投じる。 彼は現地で、捨てられた女と瓜二つの酒場女と出会い同棲する。 しかし、パリの女と再会し、その女の相変わらずの冷たさに触れ、すべてに絶望する。やがて彼は 死地に赴くことになる。外人部隊とは、人生につまづき、絶望した人間の集まる場所であった。 (監督)ジャック・フェデー(Jacques Feyder)(出演)マリー・ベル(Marie Bell) ピエール・リシャール=ウィルム(Pierre Richard-Willm)フランソワーズ・ロゼー(Françoise Rosay) |
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舞踏会の手帖(UN CARNET DE BAL)1937年(仏)べネチア国際映画祭最優秀外国映画賞 夫を亡くしたクリスティーヌは、若くして結婚したために青春時代の思い出がなかった。 ある日、自分が十六歳の時に社交界デビューした晩のことを綴った手帖を見つける。 そこに書かれていたのは、ダンスのパートナーを務めてくれた男性たちの名前。 クリスティーヌは二十年ぶりに、彼らの一人一人に会いに行くことを決意。 しかしある者は自殺し、ある者は犯罪者となり、かつての青年たちは変わり果てていた。 ヒロインが二十年ぶりに訪ね歩く男たちは、そのほとんどが、彼女の夢を裏切ってゆく。 走馬燈の影絵のように現れては消えていく時の流れの無常さ、人生の儚さが胸を打つ。 (監督)ジュリアン・デュヴィヴィエ(JULIEN DUVIVIER)(出演)マリー・ベル(MARIE BELL) ルイ・ジューヴェ(LOUIS JOUVET)フランソワーズ・ロゼー(Françoise Rosay) |
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巴里(Paris)1924年
マダム・レカミエ(Madame Récamier)1928年
さらばワルツ(The Farewell Waltz)1928年
フィガロ(Figaro)1929年
ジョーカー(Le Joker)1930年
ラ・フォル・アヴァンチュール(La Folle Aventure)1931年
ラック(Luck)1931年
装へる夜(L'homme a l'hispano)1933年
外人部隊(Le grand jeu)1933年
カプリス・ド・プリンセス(Caprice de princesse)1934年
フェドーラ(Fedora)1934年
ある貧しい青年の物語(Story of a Poor Young Man)1936年
舞踏会の手帖(Un carnet de bal)1937年
幻の馬車(La charrette fantome)1939年
いっちょう頂き(La bonne soupe)1963年
熊座の淡き星影(Vaghe stelle dell'orsa)1965年