フランソワーズ・ロゼー(Francoise Rosay)
生年月日 : 1891/04/19
出身地 : フランス/パリ
没年 : 1974/03/28
パリの演劇学校で演技を学び、卒業後の1910年、国立劇場のオデオン座で舞台経験を積む。
1911年、アンリ・デスフォンテーヌ監督の「フォールスタフ(Falstaff)」で映画デビュー。
1917年、映画作家のジャック・フェデーと結婚。彼の代表作「外人部隊 1934」「ミモザ館 1935」
「女だけの都 1935」に主演したほか、「ジェニイの家 1936」「舞踏会の手帖 1937」でも活躍。
フランスを代表する大女優として君臨。後年は「旅愁 1950」などアメリカ映画にも出演した。
代表作品
外人部隊(Le Grand Jeu)1934年(仏) ピエールは、パリで愛人のフロレンス(ベル)にふられる。彼はモロッコに流れて、外人部隊に身を投じ、 酒と女に溺れる日々を過ごす。そんなある日、フロレンスそっくりの女イルマ(ベル)に出会い恋に落ちる。 ブルジョア青年が、派手好きなパリの女に入れあげ、多額の借金をつくり、外人部隊に身を投じる。彼は現地で、 捨てられた女と瓜二つの酒場女と出会い同棲する。だがパリの女と再会し、その女の相変わらずの冷たさに触れ、 すべてに絶望する。やがて彼は死地に赴くことになってしまう。 フランソワーズ・ロゼーは、兵士たち相手の酒場をきりもりする女主人を演じている。 トランプで主人公ピエールの運命を占うのだが、彼の死を予知するラストシーンの演技は秀逸。 (監督)ジャック・フェデー(Jacques Feyder)(出演)マリー・ベル(Marie Bell) ピエール・リシャール=ウィルム(Pierre Richard-Willm)フランソワーズ・ロゼー(Francoise Rosay) |
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ミモザ館(Pension Mimosas)1935年(仏) 南仏の下宿屋「ミモザ館」を経営するルイズ(ロゼー)は、身寄りのないピエールを、実子同然に 育てていたが、ある日実父が現れ、引き取ってしまう。 その後、成長したピエールが、パリで自堕落な生活を送っていることを知ったルイズは、再び彼を 連れ戻す。だが情婦ネリーも、彼を追って同居を始めることになる…。 1936年(昭和11年)日本公開。キネマ旬報ベストテン第一位に輝いた作品。息子を巡る嫁と姑の葛藤を 描いている点が、馴染みの深いテーマとして、日本人の感性にマッチしたのだろう。 また「ミモザ館」のペシミスティックな世界観に親近性を感じた映画監督の山中貞雄は、本作を下敷きに 1937年、時代劇「人情紙風船」を制作している。 (監督)ジャック・フェデー(Jacques Feyder)(出演)フランソワーズ・ロゼー(Francoise Rosay) |
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女だけの都(La Kermesse heroique)1935年(仏) 1616年、フランドルの小都市にスペイン特使が軍隊を率いて一夜を過ごしたいとの知らせが届く。 スペイン軍の乱暴を恐れた市長(アレルム)は一計を案じ、自分が急死したことにする。 男たちは家の中で喪に服していて、とてもスペイン軍の接待が出来ない、という珍案だった。 あきれた市長夫人(ロゼー)は町の女たちを指揮してスペイン軍歓迎の宴を開く。 もてなしに満足した特使とその軍は、一夜明けると整然と去って行った。 1937年(昭和12年)日本公開。キネマ旬報ベストテン第一位に輝いた作品。当時の日本は、女性に対する差別が まだ激しい時代だった。ウーマンリブを謳歌する本作は、女性を中心とする観客の目に新鮮に映ったのである。 (監督)ジャック・フェデー(Jacques Feyder)(出演)フランソワーズ・ロゼー(Francoise Rosay) アンドレ・アレルム(Andre Alerme)ジャン・ミュラー(Jean Murat)ルイ・ジューヴェ(Louis Jouvet) |
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ジェニイの家(JENNY)1936年(仏) ジェニイ(ロゼー)は、娘を成人させるため、密かに売春宿「ジェニイの家」を経営している中年女。 彼女は汚い商売を知られまいとして、娘のダニエルを、ロンドンに音楽留学させる。 その後、ダニエルは金持ちの男と婚約したのだが、婚約を破棄されて実家に戻ってくる。 そして母親の若い愛人リュシアン(プレジャン)と愛し合う関係になってしまう。 母と娘が一人の男をめぐって三角関係になるのだが、日本の昼ドラのようなドロドロの愛憎劇にはならない。 ロゼー演じるジェニイは、母親、そして女としての相克に悩み苦しみ、最後に娘のために身を引くのである。 その複雑微妙な心情を、一つひとつの表情、身振りで醸し出す絶妙な演技に、観る者は惹きこまれる。 (監督)マルセル・カルネ(Marcel Carne)(出演)フランソワーズ・ロゼー(Francoise Rosay) リゼット・ランバン(Lisette Lanvin)アルベール・プレジャン(Albert Prejean) |
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舞踏会の手帖(UN CARNET DE BAL)1937年(仏)べネチア国際映画祭最優秀外国映画賞 夫を亡くしたクリスティーヌ(ベル)は、若くして結婚したために青春時代の思い出がなかった。 ある日、自分が十六歳の時に社交界デビューした晩のことを綴った手帖を見つける。 そこに書かれていたのは、ダンスのパートナーを務めてくれた男性たちの名前。 クリスティーヌは二十年ぶりに、彼らの一人一人に会いに行くことを決意。 しかし最初に訪ねた青年ジョルジュは、クリスティーヌの結婚を苦に自殺。母親(ロゼー)は、息子の 死を受け入れられないまま発狂していた。クリスティーヌが二十年ぶりに訪ね歩くかつての青年たちは、 そのほとんどが変わり果てており、彼女の夢を裏切ってゆくのだった。 (監督)ジュリアン・デュヴィヴィエ(JULIEN DUVIVIER)(出演)マリー・ベル(MARIE BELL) ルイ・ジューヴェ(LOUIS JOUVET)フランソワーズ・ロゼー(Francoise Rosay) |
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フォールスタフ(Falstaff)1911年
ああ無情(Les miserables)1925年
素晴らしき嘘(Magnificent Lie)1931年
外人部隊(Le grand jeu)1934年
ミモザ館(Pension Mimosas)1935年
母性の秘密(Maternite)1935年
ある映画監督の一生(Le marchand d'amour)1935年
泣き笑ひ千法札(Le billet de mille)1935年
女だけの都(La Kermesse héroïque)1935年
ジェニイの家(Jenny)1936年
舞踏会の手帖(Un carnet de bal)1937年
旅する人々(Fahrendes Volk)1938年
愛の海峡(Johnny Frenchman)1945年
宝石館(Macadam)1947年
死せる恋人に捧ぐる悲歌(Saraband for the dead Lovers)1948年
四重奏(Quartet)1949年
旅愁(September Affair)1950年
女の獄舎(Donne Senta Nome)1950年
雪の夜の旅人(L'auverge rouge)1951年
七つの大罪(Les sept peches capitaux)1952年
バルテルミーの大虐殺(La reine Margot)1954年
王女アナ・メンドーサ(That Lady)1955年
間奏曲(Interlude)1957年
ダニー・ケイの戦場のドン・キホーテ(Me and the Colonel)1958年
勝負師(Le joueur)1958年
悶え(The Sound and the Fury)1959年
札束(ゼニ)がすべて(Du rififi chez les femmes)1959年
いまだ見ぬひと(Les yeux de l'anour)1959年
恋人たちの森(Le bois des amants)1960年
史上最大の作戦(The longest Day)1962年
渚のたたかい(Up from the Beach)1965年
25時(The 25th Hours)1967年
パリ・コネクション/宝石強奪(3 millards sans ascenseur)1967年