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ペルセウスPerseus
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1 ゼウスとダナエ(アルゴス王アクリシオスの娘)の子。
妻アンドロメダとの間にペルセウス2、アルカイオス(Alkaios)、ステネロス(Sthenelos)、ヘレイオス(Heleios)、メストル(Mestor)、
エレクトリュオン(Elektryon)、ゴルゴフォネ(Gorgophone)を儲けた。

アルゴス王アクリシオス(Akrisios)には娘ダナエ(Danae)がいたが、男の子がおらず、息子を望んだアクリシオスは使者を使わして神託を求めた。
神託は「息子は生まれず、アクリシオスは彼の孫によって殺される」という恐るべき内容だったため、アクリシオスはダナエを青銅の塔に幽閉した。

そこへゼウスが黄金の雨に身を変えて忍び込み、ダナエはペルセウスを産んだ。
これを知ったアクリシオスは、娘とその子を手にかけるにしのびず、二人を木箱に閉じこめて河に流した。

ダナエ親子はセリフォス島(Seriphos)の漁師ディクテュス(Diktys)によって救出され、島の人々の好意でこの島で暮らすことになる。

やがてペルセウスはセリフォス島きっての勇敢な若者へと成長した。

セリフォス島の王ポリュデクテス(Polydektes)は母ダナエの美しさに惹かれ、何とか自分の物にしようと口説くがダナエはなかなかなびかない。
そこで一計を案じたポリュデクテスは、ある日ペルセウスを王宮に呼び出す。

そのころセリフォス島には、髪の毛の一本一本が蛇で、その顔を見た者はたちまち石になってしまうという恐ろしい不死身の怪物ゴルゴン三姉妹(Gorgon)
がすんでいて、たくさんの人々が石に変えられていた。

すみかはセリフォス島の果てにある洞窟で、その場所を知っているのはグライアイ(Graiai)と呼ばれる三姉妹の老婆だけだという。

ポリュデクテスはペルセウスに、島の住民のため怪物ゴルゴンを退治するよう要請する。
こうしてペルセウスは「ゴルゴン退治」に出かけることになった。

ペルセウスはいきおいよく王宮から出てきたものの、どうして怪物を退治したらよいか考え込んでしまう。
そのときゼウスの命で助けに来たのが、アテナとヘルメスだった。

ペルセウスはアテナとヘルメスの助力を受け、アテナの青銅の楯『アイギス(Aegis)』、ヘルメスの翼のあるサンダル『タラリア(Talaria)』、
黄金の鎌『ハルペ(Harpe)』、ゴルゴンの首を入れる特製の袋『キビシス(Kibisis)』、ハデスの『隠れ兜(Helm of Hades)』を身につけた。

そしてゴルゴンたちの居場所を知るために、アテナとヘルメスの導きで、グライアイ三姉妹の元に行った。

彼女たちは生まれつき醜い老女で、三人でたった一つの眼と一本の歯しか持っていなかった。
彼女たちが居場所を教えてくれないために、この眼と歯を奪って脅すことで無理やり聞き出した。

ゴルゴンたちは、ぶきみな霧のたちこめる洞窟の中に住んでいた。
彼女たちの名は、ステンノ(Stheno)、エウリュアレ(Euryale)、メドゥーサ(Medusa)で、メドゥーサのみが不死身でなかった。

ペルセウスは、彼女たちが眠っているときに近づき、面をそむけつつ、青銅の楯にその姿を映して見ながら、黄金の鎌でメドゥーサの首を切り取り、キビシスの中に入れた。

このとき、首を切られたメドゥーサの体から血しぶきとともに翼ある馬ペガソスとクリュサオル(Chrysaor)が飛び出したという。

ゴルゴンたちは彼のあとを追ったが、ハデスの隠れ兜のために、彼を見つけられなかった。

メドゥーサの首をキビシスに入れて飛行中のペルセウスは、母カッシオペイア(Kassiopeia)のために海神ポセイドンの怒りを買い、
海の怪獣のいけにえにされていたエチオピアの王女アンドロメダを見つけ、怪獣を倒してアンドロメダを救った。→ アンドロメダ

アンドロメダを妻にしたペルセウスは無事に母ダナエの住むセリフォス島へ帰る。
ちょうどその頃、ポリュデクテス王がダナエを無理やり、愛人にしようとしていた。
腹を立てたペルセウスは、ポリュデクテスにメドゥーサの首をつきつけて石にし、恩義あるディクテュスを新たな王に就けた。

その後、ペルセウスは妻や母と共にアルゴスに帰国したが、このことを伝え聞いたアクリシオスはペルセウスを恐れてアルゴスから逃亡し、ペルセウスはアルゴスの王となった。

翼のあるサンダル、黄金の鎌、キビシス、そして隠れ兜をヘルメスに返し、メドゥーサの首はアテナに捧げた。
アテナはそれを自分の盾の中央につけた。

あるとき、ペルセウスはラーリッサ(Larissa)の街で競技会に出場した。
ペルセウスが円盤を投げたところ、円盤が老人に当たってその老人は死んだ。
その老人こそアクリシオスで、こうして神託は実現した。

ペルセウスは自分が殺してしまった祖父の国土を継承することを恥じ、従兄弟であるティリュンス王(Tiryns)メガペンテス(Megaprnthes)
のところに行って国土の交換を行い、ティリュンスの支配者となった。
死後はアテナにより天に上げられ、ペルセウス座となった。
(アポロドロス 第ニ巻 4-1-4)

2 ペルセウスとアンドロメダの子。ニ人がまだエチオピアにいるときに生まれた子で、祖父の地に残ってペルシャ人の祖となった。

3 ピュロス王ネストル(Nestor)とアナクシビア(Anaxibia ピュロスの王族クラティエウス Kratieus の娘)の子。