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三相一体Triple Goddess
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三叉路の神ヘカテ(Hecate)は、三人の女神の姿で描かれることがあり、それぞれ手にたいまつ(月光の象徴)、
蛇(不死の象徴)、ナイフ(助産術の象徴)、鍵(冥界の象徴)、ロープ(束縛の象徴)を持っている。

ヘカテが夜の三叉路に立ち、三相一体で表わされるのは天界・人間界・冥界の三界を繋ぐ神とされているからである。
ヘカテの起源は大変古く、ギリシャ時代からさらに昔の古代エジプトまで溯るといわれている。

彼女は歳をとることのない存在で、乙女・母親・老婆を象徴する三相一体の女神とも呼ばれ、また月の女神セレネ(Selene)、
アルテミス(Artemis)と同一視されていた。

三相女神は、それぞれ別存在ではなく、一柱の女神が三重化した姿である。
これら三相一体の概念は、各地の神話における女神の三つのペルソナとしてさまざまな形で表現されている。


【ギリシア神話】

(天界・人間界・冥界)
セレネ(Selene 満月/月の光)、アルテミス(Artemis 半月/善・悪)、ヘカテ(Hecate 新月/月の闇)

(乙女・母親・老婆)
ヘベ(Hebe 乙女)、ヘラ(Hera 母親)、ヘカテ(Hekate 老婆)
コレー(Kore 乙女)、デメテル(Demeter 母親)、ペルセフォネ(Persephone 老婆)

モイライ(Moirai 運命の三女神)
クロト(Klotho 創造者)、ラケシス(Lachesis 維持者)、アトロポス(Atropos 破壊者)

エリニュス(Erinys 復讐の三女神 )
アレクト(Alekto 止まない者)、ティシフォネ(Tisiphone 殺戮の復讐者)、メガイラ(Megaira 嫉妬する者)

カリテス(Charites 美と優雅の三女神)
アグライア(Aglaia 輝き)、エウフロシュネ(Euphrosyne 喜び)、タレイア(Thaleia 花盛り)

ホーライ(Horai 季節と時間の三女神)
エウノミア(Eunomia 秩序)、ディケ(Dike 正義)、エイレネ(Eirene 平和)

ゴルゴン(Gorgon 三女怪)
ステンノ(Stheno 力)、エウリュアレ(Euryale 普遍)、メドゥーサ(知恵)

グライアイ(Graiai 魔女の三姉妹)
パムフレード(Pamphredo 意地悪)、エニュオ(Enyo 戦闘)、デイノ(Deino 恐怖)

【ローマ神話】

(天上・地上・地獄)
ルナ(Luna 満月)、ディアナ(Diana 新月)、プロセルピナ(Proserpina 欠ける月)

フォルトゥーナ(Fortuna 運命の三女神)
レゲア(Legea 支配権の女神)、ボナ(Bona 幸運)、マラ(Mara 悪運)

パルカ(Parca 運命の三女神)
ノーナ(Nona 創造者)、デキマ(Decima 維持者)、モルタ(Morta破壊者)

(処女・母親・老婆/創造者・維持者・破壊者)
ユウェンタース(Juventas 妙齢の少女)、ユノ(Juno 成熟した母親)、ミネルヴァ(Minerva 賢い老婆)

【エジプト神話】

(生・死・再生)
ハトホル(Hathor 生)、ネフティス(Nephthys 死)、イシス(Isis 再生)

【北欧神話】

(処女・母親・老婆/創造者・維持者・破壊者)
フレイヤ(Freyja 妙齢の少女)、フリッグ(Frigg 成熟した母親)、スカジ(Skadi 老婆)

ノルン(Norn 運命の三女神)
ウルズ (Urthr 過去) 、ヴェルザンディ(Verthandi 現在) 、スクルド(Skuld 未来)

【ケルト神話】

バイヴ・カハ(Badb Catha 死、破壊と戦争の三女神)
モリガン(Morrigan)、マッハ(Macha)、バズヴ(Badb)

トゥアサ・デ・ダナン(Tuatha De Danann)の戦いの三女神
エリウ(Eriu)、バンバ(Banba)、フォドラ(Fodla)

【インド神話】

ウマー(Uma シヴァ神の妃)の三相
パールヴァティ(Parvati 慈愛の相)、ドゥルガー(Durga 恐怖の相)、カーリー(Kali 憤怒の相)

(処女・母親・老婆)
ヨーギニー(Yogini 妙齢の処女)、マードリー(Madri 成熟した母親)、ダーキニー(Dakini 老婆)

The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Barbara G. Walker)