赤い迷路 1974年(昭和49年) ドラマ傑作選
大学教授で精神科医の結城正人(宇津井健)は、アメリカから三年ぶりに日本へ戻った。
母校に犯罪心理学研究所が新設され、その所長として赴任するために帰国したのだ。
研究所の開設パーティーに、正人は妻の妙子(小山明子)と出席した。
だがその席上、謎の電話がかかり、妙子はそのまま姿を消してしまう。
その翌日、モーテルで妙子の無惨な死体が発見された。
正人は全力で犯人を捜し出そうとする。やがて容疑者として都築潤(松田優作)が逮捕された。
妻を殺された精神科医が犯人を突き止めていくサスペンスを軸に、複雑な人間模様が描かれる。
精神科医役は宇津井健、その一人娘で出生の秘密をもつ少女に山口百恵。かげりのある雰囲気が
よく合っていて、その後の山口百恵の役柄イメージがこれで決定づけられた。
百恵が超売れっ子だったために撮影の時間がなかなかとれず、後ろ向きのシーンは代役で撮るとか、
自分の出番だけまとめて撮って、そのまま別番組の出演にいってしまうこともあったらしい。
だが番組に取り組む態度が非常に真剣で、周囲から非難の声はほとんどなかったという。
本作は「赤いシリーズ」全10作の第一弾だが、百恵が出演したのは第1回から第6回までと第10回。
いずれも度重なる不幸に見舞われるヒロインを熱演し、高視聴率をあげている。
(制作)TBS、大映テレビ(脚本)佐々木守、ジェームス三木
(配役)結城正人(宇津井健)結城妙子(小山明子)結城明子(山口百恵)桜井由起子(長山藍子)
都築潤(松田優作)園田京子(中野良子)高浜(中条静夫)