痴人の愛 1949年(昭和24年) 邦画名作選 |
配役 | ナオミ | 京マチ子 | 関 | 三井弘次 | ||||||||
譲治 | 宇野重吉 | 浜田 | 島崎溌 | |||||||||
熊谷 | 森雅之 |
ナオミのモデルは、当時、谷崎潤一郎の妻であった千代の妹・せい子とされている。 このせい子は、数え年15歳で谷崎と同衾している。 エキゾチックな容姿で、手足がほっそりとした彼女は、谷崎を大いに魅了したという。 せい子と恋仲になった谷崎は、夫人を冷たく扱うようになった。 その夫人に同情し、愛するようになったのが作家の佐藤春夫である。 佐藤にも妻がいたが、もともと冷めた関係だったため、やがて離婚。 谷崎も夫人と離婚し、佐藤春夫は夫人を譲り受けることになった。 これが世に一大センセーションを巻き起こした「細君譲渡事件」(昭和5年)である。 後に谷崎は「痴人の愛」を、自らの失敗談に基づいた「私小説」だと明言している。 せい子と関係を持ち、自分好みの女に成長してくれることを楽しみにしていた。 しかし彼女は、自分の手に負えないやりたい放題の女になってしまったという。 |
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京マチ子と谷崎潤一郎(1959年) | ||