田園交響楽 1938年(昭和13年) 邦画名作選 |
北海道の小学校校長・日野東作(高田稔)は、両親を失った盲目の少女を引きとる。
彼女を雪子(原節子)と名付けた東作は、教育を授けて大切に育てた。
やがて雪子の目が治る可能性がある事を知って、弟の進二(佐山亮)も手術を勧める。
進二と雪子が想い合っていると感じた東作は、雪子の手術を決め無事成功する。
ところが雪子が魅かれていたのは、じつは東作だった。
北海道の雪景色を背景に、孤児の盲目の少女を育てる教師の物語。
美しく育った少女を愛する一方、若い弟が彼女と愛し合うのを嫉妬する。
アンドレ・ジイドの同名原作に、格調正しく挑んだ野心作である。
なお本作は、日本よりも海外、とりわけフランスで大好評を博した。
雪に覆われた日本の田園風景の美しさに加え、ジイドの原作である点が、
フランス人観客に対する吸引力となったものと思われる。
製作 東宝
監督 山本薩夫 原作 アンドレ・ジイド
配役 | 日野東作 | 高田稔 | 東作の娘・道子 | 富士山君子 | |||||||||
盲目の少女・雪子 | 原節子 | 田口医師 | 御橋公 | ||||||||||
東作の弟・進二 | 佐山亮 | ||||||||||||
東作の妻・敬子 | 清川玉枝 |