道場破り 1964年 (昭和39年) 邦画名作選
神道無双流の達人、三沢伊兵衛は、藩主の側室になるよう強要された家老の娘、妙を連れて駆落ちする。
ある宿場町の旅籠に妙を匿い、伊兵衛は木賃宿に潜むが、関所を抜けるためには十両の賄賂が必要だった。
伊兵衛は武士の掟を破り、道場破りで金を稼ごうとする…。
山本周五郎の原作「雨あがる」を小国英雄が脚色、内川清一郎が映像化した痛快時代劇。
三沢伊兵衛は、剣の腕はとても立つが、生来の優しい性格から世渡りが下手である。
道場破りで金を得るが、木賃宿の貧乏人たちに振舞ったりして、なかなか十両を貯めることが出来ずにいた。
そんなある日、彼は藩がさしむけた刺客、大庭軍十郎と、勝てば十両の賭け試合で対決することになる。
人が良いとぼけた浪人の三沢伊兵衛、対して殺気がみなぎる凄腕そうな浪人、大庭軍十郎。
双方ともに剣の達人ながら、いかにもそれらしい軍十郎を脇役に、それらしくない伊兵衛を主役にしている
ところが配役の妙であり、見応えのある二人の殺陣と相まって物語の面白さを倍増している。
製作 松竹
監督 内川清一郎