ふり袖太平記 1956年(昭和31年) 邦画名作選 |
旗本・菅谷家の一人娘・小浪(美空ひばり)は、屋敷番の新太郎(大川橋蔵)と恋仲だった。
だが、顔を合わせればいつも喧嘩ばかり。
そんな中、小浪の父が家老(吉田義夫)の奸計に落ちて失脚。小浪の身にも危険が迫る。
代々家に伝わる十万両の在処を記した手鏡を祖母より託された小浪は、男装の若衆に扮して家を出奔。
一方、その十万両を我が物にしようと企んで、執拗に小浪の行方を追う家老とその一味。
小浪の危機を知って、家老一味の前に颯爽と現れた新太郎。
敵を次々と斬り伏せるものの、短銃で撃たれて谷川に転落し生死不明となってしまう。
1956年(昭和31年)月刊娯楽雑誌「平凡」に連載された斉藤豊吉の同名時代小説の映画化。
お家騒動にまつわる十万両の行方をめぐり、嫡女・小浪(美空ひばり)と青年剣士・新太郎(大川橋蔵)の
名コンビが繰り広げる、剣あり、恋あり、歌ありの痛快娯楽時代劇。
大川橋蔵(27歳)と美空ひばり(19歳)の共演第四作目。昨年(1955年)デビューしたばかりの橋蔵だが、
歌舞伎出身らしい華麗な立ち回りを見せ、凛々しく清々しい若侍ぶりを発揮している。
美空ひばりは、男装の若衆に扮して立回りも披露しているが、その勝ち気な武家娘ぶりが何とも愛らしく、
それを優しく見守る橋蔵と兄妹のように息の合った掛け合いを見せている。
美空ひばりは、東映の多くの男優と共演したが、人気の点では断然、橋蔵とのコンビがトップだった。
この二人は「トミー・マミーコンビ」と呼ばれ、東映の黄金コンビとして、ファンに受け入れられた。
以後二人の共演作は数多く、フジテレビ「銭形平次」最終回(1984年4月4日)にも、美空ひばりが
ゲスト出演している。
製作 東映
監督 萩原遼 原作 斎藤豊吉
配役 | 小浪 | 美空ひばり | 濡髪おえん | 浦里はるみ | 祖母さよ | 岡島つや子 | |||||||||||||||||
露木新太郎 | 大川橋蔵 | 隠密・幾江小市郎 | 片岡栄二郎 | 源八 | 川田晴久 | ||||||||||||||||||
旋風の次郎吉 | 星十郎 | 小浪の父・菅谷織部正 | 有馬宏治 | 家老・駒木飛弾 | 吉田義夫 |