春のささやき   1980年(昭和55年)       ドラマ傑作選

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駅員が三人しかいない北国の小さな駅、塩谷。

ここの改札係の保(根津甚八)は、近くの食堂で働く伸子(伊藤蘭)と

結婚のうわさをたてられ、内心おもしろくない。


本当は伸子のことは好きなのだが、伸子が気安く他の男友達と

付き合っているのに、ひどく腹を立てているのだ。


そんなとき、この駅に保が中学生のころ、あこがれていた音楽教師の

玲子(南田洋子)が降り立った。

保はドキドキしながら玲子を見つめた。



彼女の演奏するピアノ曲「春のささやき」の旋律が、懐かしい響きとなって

保の脳裏に甦ってくるのだった。



ヒロインの伊藤蘭は、歌謡トリオ、キャンディーズの一員で、1978年「普通の女の子に戻りたい」

と言って引退したのだが、本作で女優としてブラウン管にカムバックした。


役柄は北海道の駅前食堂で働く娘・伸子。この娘、若い駅員の保(根津甚八)に惚れている。

しかし誘われればダンプの運転手ともねんごろになってしまう。


それでも保と結婚したいのに、保がほかの女に目をやると、あきらめて町を去ろうとする。

そこそこ浮気性で主体性がなく、しかし根は純情な、よくいるお姉ちゃんという役どころだ。


物語は、保と伸子との「恋愛話」のもつれからスタートする。

そして、二人の前に、保の恩師であった玲子(南田洋子)が現れて…といった展開。



北海道塩谷出身の詩人・伊藤整の詩「春を待つ」を題材とした市川森一のオリジナル脚本。

駅員とその恋人、そして彼のかつての音楽教師とその恋人、二組の愛の姿が描かれる。

小樽近くの塩谷駅周辺の美しい冬景色も見どころの一つである。



(制作)HBC(北海道放送)(原作)伊藤整(脚本)市川森一

(配役)荒谷保(根津甚八)坂井伸子(伊藤蘭)中島玲子(南田洋子


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