旗本退屈男   1973年(昭和48年)       ドラマ傑作選

直線上に配置


     



下総の境藩を訪れた主水之介(市川右太衛門)は、竹矢来の中に

数十人の農民が処刑されているのを見た。


死体は、見せしめのために五日間さらされるという。


処刑されたのは、厳しい年貢取り立てと圧政に耐えかね、

直訴しようとした村人たちだった。(第9話 待伏せ道中)





旗本退屈男こと早乙女主水之介は、剣は諸羽流の奥義を極める将軍家の直参旗本。

太平の世に退屈した彼は、外泊禁止の掟を破り、騒動を求めて全国各地へ現れる。


時に下総を旅していた主水之介は、数十人の農民が処刑されているのを目にする。

事件の裏に、藩政をほしいままにする城代家老がいることを知った主水之介は

怒りの刃を振るう。



番組収録後に、スタジオの一室で、主演の市川右太衛門にインタビュー。

公私にわたって旗本退屈男に成り切り、生涯主役以外やらなかった右太衛門が、

その芸の秘密を熱く語る。


「殺陣は様式美です。殺陣には踊りの要素がなければいけません」

近ごろの、やたらに血をみせる殺陣は「邪道」と、得意の諸羽流でバッサリ。

大きな声、上を向いて豪傑笑い。「隠し事をしないから自然に大声になる」という。


若い頃はむちゃ飲みをしたが、いまはビール二、三本。落語を愛し、浪曲に耳を傾け、

チャップリンを鑑賞する。それぞれ「間」「テンポ」「芝居」の糧にするのだという。

芸能生活40余年、退屈男いまだ健在のエキスは、このへんにあるのだろう。



(制作)NET、東映(原作)佐々木味津三(脚本)鈴木兵吾、結束信二、渡辺邦男

(配役)早乙女主水之介(市川右太衛門)霧島京弥(永井秀和)菊路(竹下景子)杉浦権之兵衛(佐野浅夫)

三平(品川隆二)喜内(十朱久雄)お染(岡田可愛)お志加(加茂さくら)四十松(湯原昌幸)弥太八(小島三児)


直線上に配置