横溝正史シリーズ 本陣殺人事件   1977年(昭和52年)       ドラマ傑作選

直線上に配置




金田一耕助(古谷一行)は、駆け出しの私立探偵だが、一応日本橋に事務所を構えている。


あるとき彼は、恩人の久保銀造(内藤武敏)と共に、岡山県のとある本陣までやって来る。

じつは銀造の姪・克子(真木洋子)の結婚式に参加するため、やって来たのだ。


克子の結婚相手は、本陣屋敷の長男・一柳賢蔵(佐藤慶)だった。

披露宴が無事に終わり、その日の夜更け、突如、思いがけない琴の音が屋敷に響き渡る。


金田一たちは、一面の新雪を踏んで、音のした離れに赴くと、内側から鍵がかかっていた。

鍵を壊し、中に入った一同は、床を血に染めた新郎新婦の死体を発見し、驚愕する。




雪の上の足跡は、駆けつけた一同のものだけであった。

一体犯人はどこから来て、どこへ消えたのだろうか…?



1946年(昭和21年)月刊誌「宝石」に連載された横溝正史の推理小説「本陣殺人事件」のドラマ化。

一面の新雪で足跡一つない離れ座敷で起こった密室殺人に金田一が挑むミステリーサスペンス。


アメリカの推理作家ディクスン・カーの密室トリックに触発されて書き下ろした作品であり、
金田一耕助が初登場する本作は、横溝正史の出世作となった。


本陣とは、江戸時代に大名や幕府役人が宿泊した旅籠の別称である。

劇中、披露宴が催された一柳家は、本陣の末裔で地元の名士という設定になっている。


その本陣の離れ座敷で、新郎新婦が惨殺されるという事件が発生する。

だが、新雪に囲まれた座敷は完全な密室で、犯人の逃走した形跡も見当たらなかった。


事件の調査の途中、金田一耕助は、一柳家の三男・三郎の趣味・嗜好に非常な興味を示す。

三郎は、推理小説マニアであり、彼の部屋の本棚には、探偵小説がずらりと並んでいた。

その後、三郎と密室殺人の論議を交わした金田一は、ついに謎解きの手がかりを得たのである。


名探偵・金田一耕助をひょうひょうとした演技で好演した古谷一行は、1977年から2005年
まで29年間、一貫して金田一を演じ、自身の最大の当たり役となった。
   

 
(制作)TBS(MBS)大映映画、映像京都(原作)横溝正史(脚本)安倍徹郎

(配役)一柳糸子(淡島千景)金田一耕助(古谷一行)一柳賢蔵(佐藤慶)日和警部(長門勇
一柳三郎(荻島真一)克子(真木洋子)久保銀造(内藤武敏)



直線上に配置