瘋癲 (ふうてん) 老人日記 1962年 (昭和37年) 邦画名作選


七十七歳の督助(山村聡)は、軽い脳溢血で寝たり起きたりの生活を送っている。
しかし性欲だけは旺盛で、督助の関心は、もっぱら息子の美しい嫁・颯子(若尾文子)に向けられる。
颯子も、そんな督助の欲望を察し、浴室のドアを開けて督助を誘惑する。
二人だけの秘密の時間は、やがて倒錯した愛の姿へと変化していくのだった…。
谷崎潤一郎の小説を原作とした木村恵吾監督作品。脳溢血で死期を悟った老人の性への執着を描く。
「女は二度生まれる」以来の若尾文子と山村聡のコンビであるが、山村の怪演と小悪魔的な若尾の
コミカルな掛け合いのなかで、ますます磨きがかかってきたといえる。
「東京物語」(小津安二郎監督)で母子役だった東山千栄子と山村聡がここでは夫婦を演じている。
改めて山村の幅広い演技力を感じさせる一作となっている。

製作 大映
監督 木村恵吾
|
配役 |
|
督助老人 |
|
山村聡 |
|
|
|
|
颯子 |
|
若尾文子 |
|
|
|
妻はま |
|
東山千栄子 |
|
|
|
|
浄吉 |
|
川崎敬三 |
