警察日記   1955年(昭和30年)       邦画名作選

直線上に配置


東北の田舎町の警察署。

ある日、中年のお人好しの吉井巡査が、棄て子の姉弟を拾ってきた。

姉のユキは六歳だが、弟のほうは、まだ赤ん坊だ。
ユキはとりあえず自分が引き取り、赤ん坊は旅館のおかみに預けることにした。

子供たちを棄てた母親にどんな事情があるのかは分からないが、
吉井は母親に対して憤りを覚えるのだった。



伊藤永之助原作、久松静児監督による、田舎の警察署を舞台にした涙と笑いの人情喜劇。

貧しいながらも、懸命に生きていく人々と、それを温かく見守る人情警官たちの姿を、
いくつかのエピソードを織り交ぜて描き出した佳篇である。


1942年(昭和17年)戦時中の会社再編で、日活は、新興キネマ・大都映画と合併して大映となった。

旧日活の配給部門だけが、細々と存続していたのだが、新たに製作スタッフを外部からかき集めて
映画製作を再開したのが、1954年(昭和29年)である。

本作「警察日記」は、貧しい人々の生活風俗が、方言丸出しで面白おかしく描かれており、
その作風が誰にでも好感をもたれ、新生日活最初のヒット作となった。

また森繁久彌が、いい持ち味を示しており、その後の大成への第一歩を印した作品となった。



 
 
 製作  日活

  監督  久松静児  原作 伊藤永之助

  配役    石割署長 三島雅夫 倉持巡査 殿山泰司 おかみ 沢村貞子
      吉井巡査    森繁久彌      山本岩太    伊藤雄之助      杉田モヨ    杉村春子 
      花川巡査    三国連太郎      ユキ    二木てるみ      村田老人    東野英治郎 
      薮田巡査 宍戸錠 アヤ 岩崎加根子 桃代 小田切みき

直線上に配置