剣客商売 1998年(平成10年) ドラマ傑作選
修行の旅から戻った秋山大治郎(渡部篤郎)は、十数年ぶりに父・小兵衛と再会を果たす。
小兵衛(藤田まこと)は、江戸でその名を知られた無外流の達人だったが、今は道場を閉めて、
悠々自適の生活を送り、親子ほども歳の違うおはる(小林綾子)を妻にしている。
ある夜、父の道場を引き継いだ大治郎の許へ、一人の侍が奇妙な依頼を持って訪ねて来た。
それは、五十両で、ある人物の両腕を叩き折っていただきたい、という依頼である。
たが、詳細を明かさぬ侍に対し、大治郎は即座に断るとともに、事の次第を父に報告した。
それを聞いた小兵衛は、隠居したとはいえ、自ら剣客としての血が騒ぐのを覚えるのだった。
1972年(昭和47年)小説新潮に掲載された池波正太郎の時代小説のドラマ化。
人々に「大先生」と慕われ、剣の修羅場をくぐってきた秋山小兵衛(藤田まこと)は、40歳も
年下の娘・おはる(小林綾子)を女房にしている粋な老剣客である。
そして堅物の息子・大治郎(渡部篤郎)と共に、鐘ヶ淵の住居で三人仲睦まじく暮らしている。
本作「剣客商売」は、いわば江戸時代のホームドラマだ。
真剣な立ち回りもあるが、焼きもち焼きのおはるに、小兵衛がやりこめられるなど、ユーモア
溢れる場面もあり、もちろん、池波作品に欠かせない料理の数々も登場する。
(制作)フジテレビ、松竹(原作)池波正太郎(脚本)古田求
(配役)秋山小兵衛(藤田まこと)おはる(小林綾子)秋山大治郎(渡部篤郎)老中:田沼意次(平幹二朗)
佐々木三冬(大路恵美)四谷の弥七(三浦浩一)弥七の妻:おみね(佐藤恵利)舟宿「不二楼」女将:おもと(梶芽衣子)