好人物の夫婦   1956年(昭和31年)     邦画名作選
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葉山に住む日本画家の池島(池部良)は、妻のとし子(津島恵子)と女中の滝(青山京子)と暮らしている。

ある日、大阪の祖母の具合が悪いと知らせが届き、とし子は家を二か月ほど空けることになった。

ただひとつ夫の池島は過去、他の女性と浮気をしたことがあり、とし子はそれが気がかりだった。

渋皮のむけた女中と二人きりとなり、夫はまんざらでもないが、ゴタゴタを起こすのがいやで、潔白を通す。

ところが女中が妊娠したので、池島は困ってしまった。



この年、東宝は「ダイヤモンドシリーズ」と銘打って、一流作家の代表作品を豪華キャストで映画化。

東宝のカラーに新たな魅力を加えようと、先に「鬼火(1956年)」を送り話題となったが、本作は第二作目、
志賀直哉の原作を千葉泰樹が監督した作品で、夫婦間の微妙な愛情の葛藤を描く。


妻のほうは、夫が女のことで前科があるだけに、年がら年中、神経をとがらせている。
夫のほうは「浮気はしないつもりだが断言できない」などと自信のなさそうなことを言う。

ところが妻の里帰り中に、女中が妊娠していることがわかり、夫は大慌てになる。
弁解してもなかなか分かってもらえそうにないし、バカバカしいだけに何ともやりきれない。


映画は、夫のおかれたシチュエーションと、心理的な動揺のおかしさがユーモアを込めて描かれている。

池部良と津島恵子は、本作が初顔合わせとなった。絶好調の池部はこの時期、スマートで知的な二枚目として
数多くの映画に出演、また津島も「七人の侍(1954年)」で大ブレイクし人気急上昇中であった。



 
 
 製作   東宝

  監督   千葉泰樹   原作  志賀直哉

  配役    池島 池部良 とし子の祖母 滝花久子
      妻 とし子 津島恵子 隣りの夫 有島一郎
      女中 滝 青山京子 隣りの細君 東郷晴子
      とし子の姉 中北千枝子 青年 佐原健二

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