にらめっこ 1970年(昭和45年) ドラマ傑作選


閑静な高級住宅地・田園調布の一角に、騒がしく引っ越して来た一家があった。
ちっぽけな建設会社の社長・魚住周平、きく子夫妻(藤岡琢也、扇千景)と娘一人。
この騒がしさにマユをひそめた隣の矢吹家は、一流会社・大東商事の部長・洋太郎、
はるえ夫妻(山村聡、三宅邦子)と二男一女の五人暮らし。
周平は、大会社の部長なにするものぞの勢いで挨拶に出かけた。
ところが、大正生まれの二人は、たちまち意気投合するのだった。
魚住家と矢吹家が隣同士。かたや工務店のおやじ、かたや会社の部長で、家風も全く違っている。
だがやがて魚住家の一人娘・力(和泉雅子)と、矢吹家の長男・信一(関口宏)は恋人同士となり、
ついにめでたく結婚することに。
周囲は二人をあたたかく祝福するが、娘を嫁に出す周平だけは、寂しくてならないといった様子。
本作は「肝っ玉かあさん」「ありがとう」に続く、TBSのホームドラマ路線の第三作目である。
明るく楽しくというのが、この路線のテーマだが、この種のドラマを支えるのは、筋書きよりも
登場人物の個性の面白さだろう。
何と言っても一番のハマリ役は、「花嫁の父」を演じた藤岡琢也だ。
たたきあげの零細企業の土建屋社長の面白さを巧みに演じているだけでなく、一人娘を隣家の
息子にとられた娘親の共通した悲しみを的確にこなして大いに笑わせてくれるのである。
(制作)TBS、テレパック(脚本)窪田篤人
(配役)魚住周平(藤岡琢也)妻・きく子(扇千景)娘・力(和泉雅子)力の従妹・かのこ(沢田雅美)
矢吹洋太郎(山村聡)妻・はるえ(三宅邦子)長女・久美子(十朱幸代)長男・信一(関口宏)次男・義男(松山省二)
