おひかえあそばせ   1971年(昭和46年)       ドラマ傑作選

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男手ひとつで娘6人を育て上げた池西猪太郎(大坂志郎)は、ついに定年を迎えた。


退職の日に、狭い団地から大きな家に引っ越そうと、格安な家を退職金で購入する。


格安には、ひとつの条件があった。

それは、売り主の子供である薫の部屋だけは、そのまま残しておくという条件だった。


猪太郎は、薫を女とばかり思い込んでいた。

だが、じつは身だしなみには無頓着のむさ苦しい男性カメラマン(石立鉄男)だった。


池西家の6人の娘たちと薫との間に、早くも対立の火花が散りはじめるのだった。




退職金をはたいて買ったマイホームは、若い男の下宿人付きだった。

父親と娘ばかり6人の家族と、独身のカメラマンが突然同居することになり、
次々に騒動が巻き起こる、というドタバタ・ホームコメディ。


本作は「おくさまは18歳」で、石立鉄男がブレイクした直後の作品で、彼のトレードマークの
「もじゃもじゃ頭」も控えめで、二枚目寄りの二枚目半といった役作りになっている。


父親役の大坂志郎は、多くの作品に出演している名脇役だが、とりわけ、この作品のような
「お人好しのお父さん」は、まさにハマり役といえるほどの絶妙な味を醸し出している。


6人娘では、次女・梅子(宮本信子)と四女・菊枝(岡田可愛)がWヒロインとなっている。

梅子役の宮本は、仕事に生きる自立した女性ながら、こと恋愛にかけては、自らの思いを
秘めて身を引こうとする貞淑な「やまとなでしこ」を演じている。


菊枝役の岡田は、すでにスポ根ドラマ「サインはV」に出演し、国民的人気者となっていたが、
本作では、男たちを手玉に取るような奔放で移り気な現代娘を演じている。


ドラマは、娘たちと石立のいがみ合いというバトルが横軸に置かれ、やがて少しずつ発展する
恋模様と言う縦軸が加わり、ドラマの流れが微妙に変化していくのが見どころとなっている。
   

 
(制作)日本テレビ(NTV)ユニオン映画(脚本)松木ひろし

(配役)池西猪太郎(大坂志郎)長女 さくら(富士真奈美)次女 梅子(宮本信子)
三女 すみれ(嘉手納清美)四女 菊枝(岡田可愛)五女 あやめ(鳥居恵子)
六女 つぼみ(津山登志子)小早川薫(石立鉄男)薫の父(十朱久雄)



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