女の言い分 1994年(平成6年) ドラマ傑作選
太郎(石坂浩二)と愛(八千草薫)は、結婚して25年。
ようやく東京にマイホームを持ったが、太郎に札幌転勤の話が。
同じ頃、太郎の弟の次郎(角野卓造)も札幌に転勤に。
次郎の妻で保険会社勤務の夢(長山藍子)は「単身赴任したら」とそっけない。
太郎に、気がきかないなどと言われ続けてきた専業主婦の愛とは大違いだ。
だが引っ越しの作業も何もかも押し付けられた愛は、太郎のあまりの身勝手さに
「離婚します」と東京に残る。こうして二組の別居生活が始まったのである。
結婚して25 年、ワンマン亭主にひたすら仕え、耐え続けてきた妻の反乱を描く。
大喧嘩をして後から仲良くなるというのは、ドラマではよくあるパターン。
喧嘩をすることで「女の言い分」「男の言い分」を包み隠さず伝えられるからだ。
口に出して言わなきゃ分からないことは、意外と多いものである。
我慢せずにお互いの考えを言い合える関係が、長続きするコツなのかも知れない。
八千草薫といえば、清楚で優しく美しい、まさに日本女性の鑑のような女優だ。
そんな彼女が、近所に聞こえる大声で夫をののしり、三行半を叩きつけるというのも、
ドラマの面白みを倍増させている。
(制作)TBS(原作)橋田寿賀子(脚本)石井君子
(主題歌)「薔薇色のメヌエット」(作曲:ポール・モーリア)
(配役)東愛(八千草薫)東太郎(石坂浩二)東力(内海光司)東夢(長山藍子)東次郎(角野卓造)
西郷蒔子(山岡久乃)西郷 静(小川範子)