女の河 1977年(昭和52年) ドラマ傑作選
ミラノで活躍する商社マン、支倉(山ア努)を、日本から婚約者、桂(竹下景子)が訪ねて来る。
ところが男は、仕事が忙しいからと、彼女の案内をアルバイト学生(篠田三郎)にまかせっ放し。
その仕事とは、東京から来た社長(小沢栄太郎)と、彼が思いを寄せている社長夫人(若尾文子)
の接待だった。
その後、男と社長夫人が湖畔にたたずむ姿を、婚約者は偶然目撃してしまいショックを受ける…。
イタリア北部の観光地ミラノの美しい風景をバックに、のっけから生々しい男女のドラマが展開する。
大東商事の社長・土屋大和(小沢栄太郎)の妻・美也子(若尾文子)は、夫と共にイタリアを訪れた。
美也子は元・社長秘書であった。三十歳の年の差婚で、老年の社長の後添いに収まったのである。
一方、接待役の大東商事ミラノ支店長・支倉(山ア努)は、美也子の秘書時代の恋人だった。
その支倉が雇ったアルバイト学生(篠田三郎)は、実は美也子の弟・大庭公平で、彼は旅行社で
アルバイトをしながら、ミラノ大学で勉学に励んでいるのだった。
そんなこんなで、やたら込み入った人間関係だが、海外ロケをふんだんに取り入れることによって、
複雑な登場人物の絡み合いを、北イタリアの風光の中で、ソフトなムードに溶かし込んでいる。
(制作)フジテレビ(脚本)平岩弓枝
(配役)土屋美也子(若尾文子)土屋大和(小沢栄太郎)支倉康郎(山ア努)五辻桂(竹下景子)
大庭公平(篠田三郎)梶沢彰一(三浦洋一)土屋種三(渥美国泰)上杉仁(岡本信人)