女の絶唱 1969年(昭和44年) ドラマ傑作選
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和子(三ツ矢歌子)は、両親の反対を押しきって島崎隆助(富田浩太郎)と結ばれた。
しかし、今は寝たきりの夫と娘を抱え、志賀邦彦(小泉博)の設計事務所で働いている。
邦彦は中年の技師で、つつましく働く和子に、思いやりのある態度で接していた。
やがて、和子は夫に死なれ、邦彦の娘、恵利子の勧めで妻に逃げられた邦彦と結婚した。
だが、現代娘、恵利子の誤解により、継母の辛い立場にたたされてしまう。
後に「よろめきドラマ」に欠かせなくなる三ツ矢歌子と小泉博が主演。
小泉博が演じる志賀邦彦は本作の主人公である。
戦争中愛のない結婚をし、戦後妻と別れた主人公が再婚。しかし、子供と継母の間に断層があり
苦悩し、葛藤するというのがメインテーマとなっている。
小泉はこの時期、司会業に専念しており、ワイドショー「おはよう・にっぽん」以来、
本作で久しぶりにTVドラマに登場した。
本作終了後、1970年から「クイズ・グランプリ」の司会を務め、もとNHK出身とあって、
巧みな話術を生かした名司会ぶりで人気を博している。
三ツ矢は、新東宝の売れっ子女優だったが、映画業界斜陽の折から、1961年に会社が倒産。
その後はTVドラマやCMで幅広く活躍。本作の大ヒットで「昼メロの女王」と呼ばれた。
自分の所属する会社がつぶれても生き残れるのが、本当の俳優の実力だということを
身をもって証明した女優である。
(制作)TBS、東宝(原作)竹田敏彦(脚本)中井多津夫
(主題歌)笹みどり「女の絶唱」(作詞:関沢新一、作曲:安藤実親)
(配役)志賀邦彦(小泉博)志賀恵利子(倉野章子)島崎和子(三ツ矢歌子)
島崎隆助(富田浩太郎)島崎富子(桶田奈保美)
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