女の家庭 1978年(昭和53年) ドラマ傑作選
木村永子(山本陽子)は、夫と5歳になる娘を持つ専業主婦である。
夫・邦夫(山口崇)は、弱電メーカーのバンクーバー支店長だったが、
支店での功績が高く評価され、このたび東京本社へ栄転になった。
だが、日本に帰国してから永子たち家族の生活は一変する。
夫の母(鈴木光枝)や妹(真木洋子)と同居することになったのだ。
母も妹も夫の家族であるから、仲良く暮らそうと永子は健気に努力する。
だが二人と上手く折り合いがつかず、永子は気苦労がつのるばかりだった。
そんな中、永子は帰国途中の機内で出会ったパーサー・佐竹(児玉清)と再会する。
航空会社に勤める佐竹は、妻とは別居中で男手一つで7歳の娘を育てている。
はからずも彼の娘と、永子の娘の綾子は、同じ私立の小学校で同級生だった。
やがて子供たちや、ときには永子の夫・邦夫も交えて、家族ぐるみで親しくなった。
いつしか永子は、陰ながら支えてくれる佐竹に、恋愛感情に近いものを抱きはじめる。
海外暮らしが長かった永子だが、姑との同居には想像を絶する気苦労が待っていた。
だが、平凡な家庭を守るために彼女は、ひたすら耐え続ける。
やがて永子は、嫁姑の関係について、自分なりのあるべき姿を見出していく。
夫の家族は結婚すれば自分の家族になると思っていたが、それは違うのだ。
現実には、様々なあつれきを抱え、折り合いをつけながら暮らしているが、
しょせん「夫の家族は他人」なのではないだろうかと。
忍従の先の女の幸せとは何かを問いかける傑作ドラマである。
(制作)フジテレビ(脚本)平岩弓枝
(配役)木村永子(山本陽子)木村邦夫(山口崇)木村綾子(中嶋朋子)木村勝江(鈴木光枝)木村保子(真木洋子)
佐竹守明(児玉清)佐竹公子(三好美智子)佐竹みち子(中嶋香葉子)笠田比呂子(新藤恵美)笠田行一(橋爪功)