温泉若おかみの殺人推理 1996年(平成8年) ドラマ傑作選

中川美奈(東ちづる)は、山形・あつみ温泉旅館の若女将。
旅館の一人息子・新太郎(羽場裕一)の元に嫁いで二年になる。
姑の政子(岡田茉莉子)に毎日しごかれながらも、持ち前の明るさで楽しく暮らしている。
そんなある日、東京から雑誌編集者・希とカメラマン・真弓が訪れた。
女性誌で山形特集を組むことになり、旅館を拠点に山形県内の取材を行う予定なのだ。
美奈は庄内映画村に向かう二人に同行。
美奈の知人の会社社長・慶子(池上季実子)の娘・沙紀が「さくらんぼ娘」に選ばれ、
映画に特別出演するのだった。
美奈は希に慶子を紹介しようとするが、二人はかつて知り合いだったらしく、慶子と希の間に
不穏な空気が流れているのを、美奈は感じ取った。
そんな中、沙紀が姿を消し、慶子に「娘を助けたかったら1億円用意しろ」との脅迫電話が入る。
(第24話 山形鶴岡〜映画村誘拐殺人!!)
90年代に肩のこらないエンタメ路線という事で、素人探偵を主人公とした作品が多く制作された。
本職がルポライター(水谷豊、片平なぎさ、沢村一樹)やタクシー運転手(渡瀬恒彦)、葬儀社の
女社長(片平なぎさ)などで、これらの作品は、いずれもヒットして長期シリーズとなった。
本作は温泉旅館の若女将が、宿泊客が絡んだ殺人事件に巻き込まれ、その謎解きをするものである。
本作の特色としては、毎回別の温泉地が舞台となり、若女将を演じる東ちづるは、それぞれ違う
温泉旅館の、違う名前の若女将を演じている。
若女将とその夫が、旅館の仕事そっちのけで謎解きをしていると、姑の大女将(岡田茉莉子)
が現れて、あまり事件に首を突っ込むなと叱ったりする。
だがその裏では、息子夫婦よりも先に事件を解決しようと、仲居頭と協力して、必死になって
推理したりしている。その姿が何とも可笑しくて笑ってしまうのである。
本作はサスペンスながら、そんなコメディタッチの雰囲気が受け、1996年から2019年まで
23年間、全27作ものロングランとなっている。
(制作)テレビ朝日(EX)大映(脚本)福島治子
(配役)中川美奈(東ちづる)中川新太郎(羽場裕一)中川政子(岡田茉莉子)殿山警部(若林豪)小百合(山村紅葉)
古田希(芳本美代子)黒川真弓(山口香緒里)安藤慶子(池上季実子)安藤沙紀(多岐川華子)井上加奈子(奈良崎まどか)
