俺たちの旅 1975年(昭和50年) ドラマ傑作選
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大学四年の津村浩介(中村雅俊)は、バスケット部のキャプテンでエース。
卒業間近だが就活もせず、バスケに打ち込み、バイトに明け暮れている。
浩介には二人の親友がいる。
同じバスケ部の中谷隆夫(田中健)と同郷の先輩の熊沢伸六(秋野太作)だ。
東京・吉祥寺にたむろする彼らの日々は、女の事や仲間の事で明け暮れる。
誰が一番モテるかで、ナンパの腕を競ったりなどしている。
熊沢伸六には、紀子(上村香子)というガールフレンドがいる。
会社員の伸六は、紀子の家の離れに下宿していた。
伸六は、ゆくゆくは紀子と結婚を考えている。
だが、紀子の両親は伸六の事を、あまり気に入っていない様子である。
結婚話を持ち出すと、とたんにはぐらかされてしまうのだった。
ある日、伸六の母親・しの(南美江)が上京するという電報が届いた。
だが伸六は、今日会社を首になったばかりなのでタイミングの悪さを嘆く。
厳格な母に失業中と言えない伸六は、浩介に母親の相手を頼み込む。
自分は出張ということにして、母親をよろしく頼むとの事だった。
伸六の母親は、浩介が水戸小学校の頃の担任の先生だったのである。
都会に暮らす冴えない若者三人が主人公の青春ドラマ。
熱血漢を主人公とした従来の青春ドラマと違い、当時の若者の日常の姿を
そのままに描き、話題を呼んだ。
大学四年の浩介(カースケ)は、曲がったことが大嫌いですぐにカッとなる。
同じバスケット部の隆夫(オメダ)は、自分に自信がもてず、すぐに落ち込む。
社会人一年生の伸六(グズ六)は、うじうじとして決断力に欠ける。
視聴者は、男の長所短所を極端に持ち合わせた彼ら三人に、自分の姿を重ねたり、
憧れたりした。
当初半年の予定だった放送期間も、高視聴率のため一年間に延長された。
その後「俺たちの朝」「俺たちの祭」と俺たちシリーズが続き、
青春ドラマの新しい潮流が作られた。
(制作)日本テレビ(NTV)ユニオン映画(脚本)鎌田敏夫
(配役)津村浩介/カースケ(中村雅俊)熊沢伸六/グズ六(秋野太作)熊沢しの(南美江)中谷隆夫/オメダ(田中健)
竹内紀子(上村香子)竹内綾子(津島恵子)竹内健太郎(北村和夫)中谷真弓(岡田奈々)中谷美保(八千草薫)山下洋子(金沢碧)
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