3番テーブルの客 1996年(平成8年) ドラマ傑作選
その男は、かつて売れない歌手だった。
今は夢をあきらめ、劇場近くの喫茶店で働いている。
しかし、諦めがつかないのだろうか、劇場の演目を常に気にしている。
今日も夜に開催されるライブの歌手をチェックしていた。
今日はビビ萩原という歌手が出るらしい。
そのとき、店に一人の女性客がやってくる。
3番テーブルに通されたその女性を見るや、男は驚く。
彼女はかつての妻であり、男を支えてくれたパートナーでもあった。
三谷幸喜の脚本を、24人の監督が演出した、同一脚本の監督競作シリーズ。
基本となる設定は、ウエイターとして働いている喫茶店に、その男の別れた妻が
客としてやってくる。
男はとっさに、ミュージシャンとして活躍していて、今夜もビビ萩原の
バックバンドとしてステージに立つ、と噓をつく。
しかし、ビビ萩原とは、その別れた妻の芸名だった。
同じ脚本でも、監督が違えば、別のドラマが出来上がる。
キャスティング、ロケ地なども毎回異なり、脚本が大幅にアレンジされた作品もある。
これまで、テレビドラマでは、脚本家の方が、演出家より注目されてきた。
それだけに、この監督をクローズアップした企画は、ドラマ愛好家の注目を集めた。
(制作)フジテレビ(脚本)三谷幸喜
(配役)その男(西村雅彦、生瀬勝久、柳葉敏郎、小堺一機、宇崎竜童、筒井道隆、木梨憲武、草刈正雄、小日向文世ほか)
ビビ萩原(黒木瞳、鳥越マリ、藤谷美和子、千堂あきほ、樋口可南子、緒川たまき、石井苗子、石富由美子、北村岳子ほか)
アンドリュー堺(細川俊之、岡田眞澄、ルー大柴、植木等、津川雅彦、村井国夫、宍戸錠ほか)