太陽にほえろ!   1972年(昭和47年)       ドラマ傑作選

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東京・新宿の七曲署に、新米刑事の早見(萩原健一)が赴任してくる。


長髪にノーネクタイの彼は、初出社にもかかわらず始業ギリギリに署に到着する。

おまけに、どことなく人をくった態度は新米刑事とは思えない。


これには七曲署のボスこと藤堂(石原裕次郎)も呆れ顔である。

そんな早見に、七曲署の先輩たちは早速「マカロニ」と渾名をつけた。


七曲署捜査一係を舞台に、ボスの藤堂俊介率いる個性豊かな刑事たちが
文字どおり命がけで事件を捜査し解決していく刑事ドラマ。




そこに一貫して描き込まれているのは、新米刑事の数々の挫折である。

マカロニこと早見刑事は、赴任早々、三つ揃いのスーツを決め込んで出署する。


そんな型破りな男だが、犯人の拳銃を持つ手が震えているのを見て一瞬躊躇する。
それで先輩刑事の石塚(竜雷太)が撃たれ、犯人も取り逃がしてしまう。


マカロニは、ボスに怒鳴られ落ち込む日々が続く。
ボスはそんな彼に「人を平気で撃てるようになったらお終いだ」と声をかける。

マカロニは、そういった失敗と苦悩を繰り返しながら、刑事として独り立ちしていく。



もうひとつ、この作品を語る上で忘れてはならないのが殉職シーンだ。

番組では、マカロニこと早見を筆頭に、計11名の刑事が職務中に命を落としている。

視聴者は、主演級刑事の殉職に少なからぬ衝撃を受け、視聴率も跳ね上がった。


放送後に、ファンによる葬式が行われるほどの反響があり、時には助命嘆願が
殺到するなど番組名物となった。


本作は、刑事ドラマとしては異例の長寿ドラマとなり、14年間で、全718話が放映、
最高視聴率42.5%を記録し、刑事ドラマの金字塔として語り継がれている。
   

 
(制作)日本テレビ、東宝(原作)魔久平(脚本)小川英
(配役)藤堂俊介(石原裕次郎)早見淳(萩原健一)内田伸子(関根恵子)島公之(小野寺昭)
野崎太郎(下川辰平)石塚誠(竜雷太)山村精一(露口茂)内田宗吉(ハナ肇)



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