たそがれに愛をこめて   1970年(昭和45年)       ドラマ傑作選

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海外出張から帰った会社部長、酒匂彰(山村聡)は、次男、基次(石坂浩二)が

アパートに移り、パチンコ店で働いていると聞いて驚く。

東大卒で大手銀行員の長男、市郎(川辺久造)は、激しく弟を非難する。


病気で寝たきりの彰の妻、延子(乙羽信子)だけは、基次が家を出た気持ちを

理解していた。翌日、父親の彰は、基次のアパートを訪れた。


そこには全盲の少女、好子(大谷直子)がいた。

明るい表情で語る彼女の姿には、幸福感があふれていた。



裕福な家庭の次男坊が、周囲の反対を押し切って、盲目の貧しい女性と結婚。

若い二人は、これからの人生を共に闘っていこうと誓い合う。

そして彼女は、生まれる子供のために、目の手術を受けようと決意する。


ヒロインの大谷直子は、全盲の妻という難しい役どころ。そのため彼女は、

目の不自由な夫婦を訪問して勉強するといった役づくりの努力を重ねたという。


一方、石坂浩二が演じる主人公の大学生は、恵まれた家庭も、幸せな結婚も拒み、

すべて既成のモラルに反抗して、大学を三年留年。

パチンコ店のクギ師をしながら、盲目の妻との愛を貫こうとする。


劇中で彼が、こわれてもいいような安物の皿を、山と抱えて買って来る場面がある。

それはアパート住まいの眼の見えぬ若い妻に、気がねなしに働かせてやろうという

思いやりからだった。

本当の思いやりとは、こうしたものだと、思わずホロリとさせられてしまう。


二人のこうした愛の姿をみつめようというのがドラマの狙いだが、主演の二人の

真摯な演技が感動的で、近ごろ珍しい真面目な好感のもてる作品となっている。



(制作)NET(原作)曽野綾子(脚本)山田信夫、宮内婦貴子

(配役)酒匂基次(石坂浩二)酒匂好子(大谷直子)酒匂彰(山村聡)酒匂延子(乙羽信子)

酒匂市郎(川辺久造)酒匂増子(北林早苗)越秋穂(石立鉄男)キミ子(悠木千帆)


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