てんつくてん 天佃天 1973年(昭和48年) ドラマ傑作選


天佃天(てんつくてん)というのは、天保時代に創業という老舗の佃煮屋の屋号である。
店の主人・昆(こん 三波伸介)は、早くに妻に先立たれ、母親・舟(ふね 賀原夏子)と
四人の息子と娘にかこまれた男やもめだ。
江戸っ子かたぎで、がらっぱちな性格だが、外見に似合わず、涙もろいところもある。
幸運の巡り合わせとでも言おうか、この男やもめの家庭に、なんと彼の学生時代の憧れの
女性が後妻としてやってくる。
この新妻・笑子(司葉子)は、おっとりした性格ゆえ、うかうかと婚期を逃してしまったが、
実は山の手の国文学者の家庭に育ったお嬢様である。
下町の佃煮屋とは正反対の環境だったせいもあり、最初は息子や娘たちにもケムたがられた。
だが生来のおおらかな性格によって、やがて店を切り盛りする主婦になっていくのだった。
そんなある日、長女のアキ子(和田アキ子)が、突然「結婚したい」と言い出した。
聞けば、相手の男は、三十五歳で二人の子持ちだという。
父親の昆は、即座に反対したのだが、笑子だって子持ちの昆と結婚したではないかと、
アキ子はどうしてもきかないのだった…。
司葉子、三波伸介の異色のコンビが、なんとカップルを組むというコメディー・タッチのホームドラマ。
桜田淳子、森昌子のスター誕生出身の仲良し二人組が、隣同士の中学生役で共演するのも見もの。
二人の先生役が前川清、それに和田アキ子、ヒデとロザンナとくれば、まさに歌手の「学芸会」だ。
演出担当のせんぼんよしこ女史は「演技もできるタレント性を買って出演させた」と語っているが、
どうやら「人気歌手をドラマに出せば、視聴率はとりあえず安心」というのが本音のようだ。
(制作)NTV(脚本)松田暢子、鎌田敏夫、井手俊郎
(主題歌)笠井マリ「娘のきもち」(作詩:阿久悠、作曲:森田公一)
(配役)佃昆(三波伸介)妻・笑子(司葉子)母・舟(賀原夏子)長男・魚介(渡辺篤史)次男・潮(吉田次昭)
長女・アキ子(和田アキ子)次女・淳子(桜田淳子)鹿(杉山とく子)洋子(岡崎友紀)昌子(森昌子)
前川先生(前川清)春海和尚(菅原洋一)ヒデ、ロザンナ(ヒデとロザンナ)
