天馬天平 1960年(昭和35年) ドラマ傑作選
時は幕末。天馬天平(富士八郎)は、剣の道場に通う正義感の強い少年剣士だ。
その頃、馬にまたがり金銀を強奪していく怪盗・流騎隊が江戸中を荒らし回っていた。
彼らの隠れ家を突きとめた天平は、中に忍び込んだが、敵の落とし穴に落ちてしまう。
そして、上から弓で狙われ絶体絶命に!
その時、救いに駆けつけたのが虚無僧姿の兄の五郎太(秋葉浩介)。
五郎太に助けられた天平は、兄と力を合わせて、流騎隊に戦いを挑むのだった。
悪を懲らしめ弱い善民を助ける正義の少年剣士の痛快活劇。
原作は、1957年「少年画報」に連載された堀江卓の同名少年漫画。折からの赤胴鈴之助ブームで
1960年にドラマ化されると、平均視聴率35%という高視聴率を記録し、人気番組となった。
また本作に、松竹の若手女優・松山容子が新選組と戦う勤皇の姫君・千也姫役として登場すると
一躍、茶の間の人気者となり脚光を浴びた。
松竹では役に恵まれなかった松山だが、本作で演じたお姫様ぶりが、番組のスポンサーである
大塚食品社長の目にとまり、主役に抜擢されたのが「琴姫七変化」である。
この番組も大ヒットとなり、その後二年間に渡り放映された。
大塚食品「ボンカレー」の初代パッケージに彼女が起用されているのはこのためである。
(制作)フジテレビ、日本電波映画(原作)堀江卓(脚本)小森静男
(主題歌)鳴海日出夫「天馬天平」(作詞:関沢新一、作曲:海沼実)
(配役)天馬天平(富士八郎)五郎太(秋葉浩介)鯉太郎(田中春男)お八重(桂道子)
遠山金四郎(海江田譲二)千也姫(松山容子)