となりの芝生 1976年(昭和51年) ドラマ傑作選
高平知子(山本陽子)は、ごく普通のサラリーマン家庭の専業主婦である。
郊外にマイホームを購入し、夫、娘、息子と4人で平穏に暮らしている。
ある日、夫の要(前田吟)が、会社の同僚たちを引き連れて帰ってきた。
聞けば、会議のあとどこかで一杯という話になり、新築祝いで駆けつけたという。
おかげで子供たちは、なかなか夕飯にありつけず「またお客さん」とご機嫌斜めだ。
さらに明日、夫の母・志乃が家を見に来ると言われ、不安がよぎる知子だった…。
橋田寿賀子の脚本で、嫁・姑戦争を描いた辛口ホームドラマ。
やっとマイホームを手に入れた夫婦のもとに、夫の母親が同居して、熾烈な嫁・姑の戦いが始まる。
丁々発止とやりあう嫁(山本陽子)と姑(沢村貞子)の迫真の演技に、視聴者も嫁派・姑派に
分かれ、大きな社会的反響を呼んだ。
嫁姑二人に翻弄される夫(前田吟)の優柔不断なダメ男ぶりも見どころのひとつである。
番組は、夜9時40分からという時間的ハンディにもかかわらず、常に20%前後の高視聴率を記録。
茶の間に、敢えて争いの火種を持ち込む「辛口ホームドラマ」の元祖的存在になった。
(制作)NHK(原作・脚本)橋田寿賀子
(配役)高平知子(山本陽子)高平要(前田吟)長女・花子(香山リカ)長男・太郎(坂上忍)姑・志乃(沢村貞子)
知子の母・秋野波江(赤木春恵)知子の妹・秋野聡子(望月真理子)知子の友人・時枝(結城美栄子)