若い人    1962年(昭和37年)       邦画名作選
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舞台は、長崎のミッションスクール。

若い男性教師の間崎は、女生徒たちの人気の的である。

なかでも恵子という女生徒は、彼に首ったけだった。


一方、間崎は、同僚の教師スミ子に好意を持っている。

そんなスミ子を通じて間崎は、恵子の意外な家庭事情を知る。



石坂洋次郎の同名小説を、三木克巳が脚色、西河克己が監督した青春恋愛ドラマ。


多感で独占欲の強いヒロイン恵子は、母親の恋愛遍歴のなかで生まれた私生児である。

母親の境遇には理解を示しているようだが、反面、男に奔放な母親に強烈な反発を覚えている。

父親不在の恵子は、教師の間崎に父性を求めることで、こころの均衡を保っているのだった。
やはり間崎に心を寄せているスミ子は、女性として恵子に対し、強いライバル意識を感じている。

間崎とスミ子、恵子のそれぞれの微妙な三角関係が描かれるが、深刻さはあまり感じられない。
それは浅丘ルリ子さえ嫉妬するほどの、溌溂とした美貌のヒロイン吉永小百合の存在ゆえんである。

日活に入社して二年目、16歳の吉永小百合は、本作で複雑な心理描写を見事に演じきっている。



 
 
  製作  日活

  監督  西河克己  原作 石坂洋次郎

  配役 間崎慎太郎 石原裕次郎       江波恵子 吉永小百合
  橋本スミ子 浅丘ルリ子       母 ハツ 三浦充子
      校医    大坂志郎          叔父    小沢昭一 

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