忘れえぬ慕情 (Typhon sur Nagasaki) 1956年 (昭和31年) 邦画名作選
長崎造船所のフランス人技師ピエールは、呉服屋の娘・乃里子(岸恵子)に恋していた。
しかし、フランス人女性・フランソワーズが、パリから長崎にやってくる。
彼女は作家で、しかも昔のピエールの恋人だった。
乃里子との純愛に生きようとしたピエールだったが、フランソワーズの誘惑に、
旅先で昔のよりを戻してしまう。
ピエールは、優しく謙虚な乃里子と次第に疎遠になっていく。
そんなある日、長崎は烈しい台風に襲われる。
フランスから赴任してきた造船技師は、可憐な呉服屋の娘に愛情を抱く。
しかしそこへ元恋人の女流作家が現れて…という三つ巴の色恋沙汰。
シリアスなメロドラマのはずが、後半は台風ディザスター・ムービーに。
破格の予算で制作されたクライマックスの特撮による台風シーンは圧巻。
もちろん見どころは、岸恵子とダニエル・ダリューの日仏女優の美の対決。
都会的で垢抜けた雰囲気の岸は、異国情緒豊かな映画がよく似合う。
なお本作が縁で、岸恵子は、イヴ・シャンピ監督との婚約を発表(12/28)
翌年にはパリで挙式。ファンをがっかりさせてしまった。
製作 松竹/パテシネマ(Pathe Cinema)
監督 イヴ・シャンピ(Yves Ciampi)