八つ墓村      1977年(昭和52年)     邦画名作選

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平家の落武者8人が惨殺されたという「八つ墓村」

数百年の時を経て、そこでは、32人もの男女が殺害されるという凄惨な事件も起きていた。


そしてさらに時は経ち、再び村で連続殺人が発生する。

事件の謎を解くため、探偵・金田一耕助が村を訪れる。




1949年(昭和24年)月刊誌「新青年」に連載された横溝正史の同名推理小説のドラマ化。


かつて皆殺しにされた落武者の怨念に彩られた岡山県の山村・八つ墓村が舞台。


そこへ20数年ぶりに帰郷した旧家の跡取り息子・寺田辰弥(萩原健一)は、続発する血生臭い

殺人事件に巻き込まれてしまう。


しかも辰弥は、相次ぐ殺人事件の犯人ではと、村人たちに疑われ、身の危険を感じるようになる。



最終的に、渥美清扮する金田一耕助が登場し、この連続殺人事件は、祟りという迷信を利用した

旧家の遺産をめぐる犯罪であることが判明する。


なお、渥美清が起用されたのは、原作者である横溝正史の希望によるもので、横溝自身の思い描く

金田一耕助のイメージに最も近い役者ということで抜擢されたという。



本作は、戦国時代まで遡る落武者の祟り、二十数年前の大虐殺、村の地下に伸びる巨大鍾乳洞

での大冒険、といった伝奇的な道具立てが満載で、映像的見どころが多い。


また原作では、戦後まもなくの時代設定だったが、映画では、現代(昭和52年)が舞台となっている。

祟りなどという因習が、今なお根強く人心に残存していることを、より強く印象づけることにもなった。

 


  製作  松竹

  監督    野村芳太郎   原作  横溝正史

  配役    寺田辰弥 萩原健一 諏訪弁護士 大滝秀治
      森美也子 小川真由美 磯川警部 花沢徳衛
      多治見要蔵/久弥 山崎努 新井巡査 下條アトム
      多治見春代    山本陽子          久野医師    藤岡琢也 
      井川鶴子    中野良子          工藤校長    下條正己 
      井川丑松    加藤嘉          金田一耕助    渥美清 

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