嫁入り前の娘達   1936年(昭和11年)     邦画名作選
直線上に配置                                      

杉浦美枝子(原節子)は、女学校の寄宿舎で暮らす学生である。

彼女は貧しい生い立ちで、北海道に一人残してきた祖母を心配している。

生徒に人気の西山先生(滝花久子)は、そんな美枝子を気にかけている。

卒業謝恩会準備の最中、生徒の所持金が紛失するという事件が起こる。

ずっと滞納していた月謝を納めたことから、疑いが美枝子に向けられる。

その後、その金は西山先生が用立てた事が判明し、美枝子の疑いが晴れる。



1931年に公開されたドイツ映画「制服の処女」のリメイクで、登場人物がすべて
女性という異色の学園青春映画。

寄宿女学校での同性教師への憧れを綴ったストーリーだが、当時15歳の原節子の
三つ編みにセーラー服姿が可愛らしく、凛として美しい。


この時期、翌年1937年公開予定のドイツとの合作映画「新しき土」の撮影が
同時進行で行われていたことから、本作は話題作りのための作品のようだ。

翌年原は、ドイツのベルリンで、映画「新しき土」の舞台挨拶を行い、その後
「制服の処女」の主演女優ドロテア・ヴィ―クに会っている。

さらにヨーロッパから船でアメリカのロサンゼルスへ向かい、ハリウッドで
大女優マレーネ・ディートリッヒなど映画界を代表する人物に会った。

このように、女優・原節子のスタートは途方もなく華やかなものだった。


 
 
 
 製作   日活

  監督   吉村廉

  配役    西山先生 滝花久子 女学生 美川かつみ
      舎監 沢村貞子 女学生 橘公子
      杉浦美枝子 原節子 女学生 和歌浦小浪
      木下信子 花柳小菊 女学生 高真理

直線上に配置