雑居時代   1973年(昭和48年)       ドラマ傑作選

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平凡な会社員・栗山信(大坂志郎)は、海外赴任する友人・大場(山形勲)から家を譲り受ける。


早速、五人の娘たちと引越したが、家には大場の息子・十一(石立鉄男)が住み着いていた。

彼は、勘当された息子だったが、信は一目で気に入り、一緒に同居することにした。


それを娘たちに話したところ、猛烈に反対されてしまう。

だが、末娘の阿万里(杉田かおる)だけは十一を気に入ったようだ。


信の取り成しで、彼には家の二階に住んでもらうという条件付きで、ようやく娘たちも承諾した。




かくして、栗山家と十一の奇妙な同居生活がはじまった。

だが、年頃の娘が多い中に、貧乏カメラマンの男が一人、てんやわんやの騒動が起きるのであった。



石立演じる大場十一は、貧乏で短気、少しばかりだらしないカメラマンである。

そんな彼が、父独り娘五人の家に同居することになり、いがみ合い、喧嘩しながらも、
かけがえのない家族になっていく姿が描かれる。


栗山家の長女・夏代(大原麗子)は、家事を切り盛りするしっかり者で気が強い性格。

彼女と十一は、事あるごとに衝突する。そんな二人の白熱した喧嘩シーンが見どころだ。

だが、ののしりあいの中に、ゆっくりゆっくり育まれていく愛情が潜んでいる。


末娘の阿万里(杉田かおる)だけは、どういうわけか、初めから十一になついてしまう。

第一話の初対面で、十一が阿万里に、こう尋ねる。「米屋の二階にいなかったっけ?」


米屋の二階にいたのは、前作「パパと呼ばないで」に登場する、パパの娘・チー坊だ。

親子の絆がそのまま、今作にも繋がっていると印象付ける、石立の絶妙なアドリブだった。
   

 
制作)日本テレビ(NTV)ユニオン映画(脚本)松木ひろし

(配役)大場十一(石立鉄男)栗山信(大坂志郎)栗山春子(冨士眞奈美)栗山夏代(大原麗子
栗山秋枝(川口晶)栗山冬子(山口いづみ)栗山阿万里(杉田かおる)稲葉勇作(川崎敬三)
池田玄也(山本紀彦)大場鉄也(山形勲)大場邦子(加藤治子)



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