8月18日 ブリュンヒルド (Brunhild) |
山に眠るブリュンヒルドは鎧を着たヴァルキュリー(女戦士)であった。
彼女は、主神オーディン(Odin)に逆らったために魔法をかけられ、
炎で囲まれた山城で深い眠りについていた。
その炎の勢いは凄まじく、近づけるのは最も勇敢な戦士のみだった。
そこに現れたのが英雄ジグルド(Sigurd)だ。
彼は、燃えさかる炎の輪をいとも簡単に飛び越え、ブリュンヒルドを助けた。
そしてジグルドは眠りの魔法を解き、二人は恋に落ちる。
だが、ジグルドは旅に出なければならなかった。
彼は、竜から奪った黄金の指輪をブリュンヒルドに贈った。
しかし、この指輪が二人に悲劇をもたらす。実は指輪は呪われていたのだった。
ジグルドは「必ず戻って来る。そうしたら一緒になろう」と誓った。
旅だったジグルドは、旅路でブルグント国のギューキ王(Gjuki)の世話になった。
王はシグルドを、自分の娘グドルン(Gudrun)と結婚させようと画策する。
シグルドは忘れ薬をもられ、ブリュンヒルドのことをすっかり忘れてしまう。
すべてを忘れたシグルドは、グドルンとの結婚を承諾する。
ジグルドの裏切りを知ったブリュンヒルドは、捨てられたと嘆き悲しむ。
その果てに殺意の炎を抱き、愛したシグルドを謀殺。
そして、自分も後を追うかのように、我が身を灼き尽くして命を絶つのだった。
彼女の指には、ジグルドからもらった竜の指輪がしっかりとはめられていたという。
ヴォルスンガ・サガ(Volsunga Saga)
北欧伝説「ヴォルスンガ・サガ」をモチーフとして、後世に制作された作品がいくつかある。
「ニーベルンゲンの歌」は、西暦1200年頃に成立した作者不詳のドイツの英雄叙事詩。
「ニーベルンゲンの指輪」は、リヒャルト・ワーグナーが1876年に発表したオペラである。
筋書きはだいたい同じだが、以下の通り、登場人物などの細部が異なっている。
ヴォルスンガ・サガ | ニーベルンゲンの歌 | ニーベルンゲンの指輪 | |||||
(Volsunga saga) | (Das Nibelungenlied) | (Der Ring des Nibelungen) | |||||
時代設定 | 13世紀 | 13世紀 | 19世紀 | ||||
言語 | アイスランド語 | ドイツ語 | ドイツ語 | ||||
英雄 | シグルド(Sigurd) | ジークフリート(Siegfried) | ジークフリート(Siegfried) | ||||
ヒロイン | ブリュンヒルド(Brunhild) | ブリュンヒルド(Brunhild) | ブリュンヒルデ(Brunhilde) | ||||
ヒロインの素性 | ヴァルキュリー(Valkyrie) | イースラント(Island)の女王 | ヴァルキューレ(Walkure) | ||||
ブルグント国王 | ギューキ王(Gjuki) | グンテル(Gunther) | |||||
国王の妹 | クリームヒルト(Kriemhild) | ||||||
ブルグント王妃 | クリームヒルト(Kriemhild) | ||||||
ブルグント王子 | グンナル(Gunnarr) | ||||||
ブルグント王女 | グドルン(Gudrun) | ||||||
ギビカ(Gibica)国王 | グンター(Gunther) | ||||||
国王の妹 | グートルーネ(Gutrune) | ||||||