クラクラ日記 1968年(昭和43年) ドラマ傑作選


昭和22年春、八千代(若尾文子)は、はじめて坂田勘吾(藤岡琢也)と出会った。
それは、友人フミ子(奈良岡朋子)のやっているバー「さくらんぼ」へ手伝いに行った時だ。
初対面の時から、勘吾は八千代に好意を持ったようだ。
八千代もまた、頼りがいのある人物という印象を受けた。
そのころ、向島で料亭を営んでいる八千代の母・おはま(市川翠扇)は、八千代を土地の
顔役である矢じり組の親分(上田吉二郎)のめかけにしようと考えていた。
八千代は、母の猛反対を押し切って勘吾と結婚した。
ところが、新婚早々、八千代は盲腸炎をこじらせて重態に陥る。
彼女の命を救ったのは、勘吾の献身的な介護であった。
新しい生活がはじまったが、勘吾は夜も眠れないほどの歯痛に苦しむようになった。
そのために、睡眠薬の味を覚え、やがて常用するようになった。
薬の量は次第に増え、やがて彼は錯乱状態に。
妻の八千代は介抱で、心身ともに疲れ果ててしまうのだった…。
文豪・坂口安吾の妻で随筆家の坂口三千代の自伝的エッセイが原作。
安吾の没後、銀座で「クラクラ」というバーを営んでいた彼女が、安吾との出会いから
死別までを綴った作品をドラマ化したもの。
ヒロインとなる三千代は、八千代と名を変えて若尾文子が演じ、安吾とおぼしき作家・
坂田勘吾を藤岡琢也が好演した。
ドラマでは、結婚生活で毎回勃発する騒動が面白く、藤岡琢也の暴れぶり、睡眠薬中毒
による狂乱から、二階から飛び降りたり、税金の滞納による税務署とのバトルなど、
毎回ハラハラ、ドキドキの連続であった。
そうした修羅場を、若尾がどう乗り越えていくのかが、視聴者の毎回の楽しみだった。
(制作)TBS(原作)坂口三千代(脚本)八住利雄
(配役)八千代(若尾文子)坂田勘吾(藤岡琢也)八千代の母・おはま(市川翠扇)
フミ子(奈良岡朋子)矢じり組の親分(上田吉二郎)女中・せい子(二木てるみ)
