もってのほか 1974年(昭和49年) ドラマ傑作選


蔵王のふもとの小さな村に住む岡部甚之助(藤岡琢也)は、23歳の若さで菊づくりの名人と呼ばれ、
日夜菊づくりに没頭していた。
秋のある日、丹精込めて育てた菊を、展覧会に出品するため、使用人の治助(桂小金治)を伴い、
甚之助は、展覧会場の山形に向けて出発した。
展覧会場で甚之助は、ひとりの若い女(星由里子)に出会う。
彼女はなんと、甚之助の出品した菊を見て、感嘆の声を上げた。
そんな彼女を一目見た甚之助は、この女こそ「菊そのものだ…」と感じるのだった。
大徳ふさと名乗ったその女性と、しばらく言葉を交わした甚之助は、わが生涯の伴侶は、
この女性と心に決め、早速ふさの父親、大徳祥平(久米明)を訪ねた。
突然見ず知らずの男から、娘をくれとの話を持ち込まれた祥平は怒り「筋を通せ」と追い返した。
村へ帰った甚之助は早速、助役ら三人を仲人に立て、求婚作戦を開始する。
ところが折から、ふさの家では、土地の有力者、飯田(入川保則)との間に縁談が進行中であった。
食用菊の産地、山形県蔵王のふもとを舞台に、菊づくりの名人の家に生まれた姉妹が主人公。
菊は観賞するものだというロマンチストの姉・きくの(星由里子)、いや食用菊は食物にすぎない
という現実的な妹・苗(小鹿ミキ)
本作は、父・甚之助の死後、姉妹が残された多大な借金を、それぞれの考えに基づいた生き方で
返済していく姿を描いた根性ドラマである。
なお、タイトルの「もってのほか」とは、蔵王産の食用菊のことをいい「もってのほかうまい」
ことから名付けられたという。
(制作)MBS(毎日放送)(脚本)花登筐
(配役)大徳祥平(久米明)大徳ふさ(星由里子)きくの(星由里子)苗(小鹿ミキ/関根世津子)
岡部甚之助(藤岡琢也)治助(桂小金治)助役・川下(谷幹一)佐渡(石井均)飯田(入川保則)
