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【第五課 第十一節】 小説読解
「D坡杀人案」 江户川乱步
第一章 (上) 事实
九月上旬的一个闷热的傍晚,我在D坡大街中间一家名叫白梅轩的茶馆喝着咖啡。
当时我刚从学校毕业,尚无职业。
因此常常是在寄宿的房中以读书消磨时光,腻了则出去漫无目的地散步,来到这收费低廉的茶馆泡上一阵,每天如此。
白梅轩茶馆距我宿舍较近,又是我出去散步的必经之地,所以我也乐得来这里。
不过,我有个怪毛病,一走进茶馆,屁股上就像长了钉子,坐上好一阵。
我本来食欲就不大,再加上囊中寒碜,自然不敢问津西餐,只能要上两三杯便宜咖啡,默不作声地坐上一两个小时。
我倒无心对女招待调情,或对她有某种意思,大概是这地方比我的宿舍美观一些,令人心情舒畅吧。
这天晚上同往常一样,我要了杯冷咖啡,面对街面摆下阵势,一边细啜慢饮,一边呆呆地望着窗外。
白梅轩所在地D坡,先前是做菊花偶人出了名的地方。
最近市已改建,狭窄的街道拓宽,变成通增大道,马路两旁店门稀落,与今日相比,当时市面比较冷清。
白梅轩对面有一家旧书店,实际上我从刚才就开始看着这家旧书店了。
这间旧书店破陋偏僻,并没有多少景色值得观赏,但我对它却别有一番特殊的兴趣。
最近我在白梅轩新结识一位奇特的男子,名叫明智小五郎。
这人语言玄妙,头脑灵活,我欣赏他在于他喜欢侦探小说。
前几天听他说,他童年时的女友现在是这家书店的女主人了。
我曾在这家书店买过两三本书,据我的印象这位女主人相当漂亮,
倒也说不出漂亮在哪里,只是她属于那种性感的、能够吸引男人的女人。
而且,晚上,书店的生意每每由她照看。
所以我想,今晚她必定在店里。
小店门面只有四米多宽,看了半天,仍不见那女人出来。
我一边想着她一定会出来,一边目不转睛地向对面观望。
然而,还是不见那女人出来。
我不耐其烦,目光正要转向旁边一家钟表店时,那店里间房门的拉窗“叭塔”一声关闭了。
这拉门别具一格,在通常应该糊纸的中央,做了两个方格,每个约五公分宽,可以左右自由移动。
书店货物是易被人偷窃的,要经常有人看管,所以,若店面没人照应,通过这格子的缝隙也可以看到。
但此时为什么要关上那格子呢? 怪哉!
如是寒冷天气倒也情有可原,可现在是九月,天气闷热,关上格子真让人费解。
大概里面有什么事,我不由得又盯上了
。
从茶馆女招待的口中,偶然我也听到关于旧书店女主人的奇特传闻,
总之,像在浴池里相遇的妇女或姑娘们咬嘴嚼舌的延续,你说给她听,她又传给了别人。
“旧书店女主人人倒蛮漂亮,但是脱光了衣服哇,那浑身都是伤啊!
肯定是给人打的,或抓的。
不过他们夫妻两个关系还挺好的,你说怪不怪?”
“那旁边的旭屋炒面馆女主人身上也有许多伤呢,一定是给人揍的。”
……这些市井传言意味着什么呢?
当时我并未特别留意,我觉得那不过是那家男主人的粗暴而已,
但是,各位读者,事情并非如此简单,这件小事与本故事关系重大,读到后面你自然会明白。
闲话少说。
我约摸对着那书店盯了三十分钟,大概是由于一种不祥预感的支使,我的眼睛一直没离开过。
这时,刚才我提到的那位明智小五郎,身穿那件常穿的黑竖条浴衣,晃动着肩膀从窗前走过。
他发觉我在,向我点点头,于是走进茶馆要了杯冷咖啡,在我旁边与我一样面对窗户坐下。
他发觉我总是看着一个方向,便顺着我的视线向对面旧书店望去。
奇怪的是,似乎他也很有兴趣,眼睛一眨不眨地凝视着对面。
如同约好了一般,我们边观望边闲聊。
当时说了些什么,现在大多已经忘记,且与本故事关系不大。
不过,谈话内容都是关于犯罪与侦探,在此仅举一例。
小五郎说:“绝对不可破获的案件是不可能的吗?
不,我认为很有可能。
例如,谷崎润一郎的 《途中》,那种案子是绝对破不了的。
纵然小说中的侦探破了案,但那纯粹是作者非凡想象的结果。”
“不,”我说,“我不那么认为。
实际问题如果暂且不谈,从理论上讲,没有侦探破不了的案,
只不过现在的警察中没有 《途中》 所描写的那样全能的侦探而已。”
谈话大抵如此。
瞬间,我们两人同时收住话题,因为我们一直注意的对面旧书店里发生一桩怪事。
“你好像也注意到了?” 我轻声问。
他立即答道:“是偷书的吧?怪啊,我来以后,这已是第四个偷书的了。”
“你来还不到三十分钟,就有四个人偷书,怎么里边就没人出来看一看呢?
在你来之前我就盯着那个地方,一个小时前我看到那个拉门,就是那个格子的地方关上了。
从那以后我一直在盯着。”
“是里间的人出去了吧?”
“拉门一直没开过,要出去也是从后门……三十分钟没一个人出来,确实奇怪啊!怎么样?去看看吧?”
“好吧。即使屋里没发生什么事,外面也许会有的。”
这要是件犯罪案就有意思了,我边想边走出茶馆。
小五郎一定也在这样想,他表现出少有的兴奋。
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【注 釈】
【D坡杀人案】 D pō shā rén àn 「D坂の殺人事件」
1924年 (大正13年) に発表された江戸川乱歩の短編推理小説。
D坂で起きた密室殺人事件を、語り手である 「私」 と素人探偵 「明智小五郎」 が追及していくという推理小説。
江戸川乱歩が自作に明智探偵を初登場させた記念碑的作品。
【江户川乱步】 jiāng hù chuān luàn bù 江戸川乱歩 (1894~1965)
小説家。本名、平井太郎。三重県生れ。早大卒。「二銭銅貨」 「人間椅子」 などを書き、
日本の探偵小説の基礎を築いた。ほかに 「陰獣」 「蜘蛛男」、評論集 「幻影城」 など。
1954年 江戸川乱歩賞が設けられた。
江户川乱步(1894-1965)本名平井太郎,出生于日本三重县名张町,毕业于早稻田大学。
是日本最富盛名的推理作家、评论家,被誉为日本「侦探推理小说之父」,其笔下的侦探明智小五郎更是日本家喻户晓的人物。
1923年在日本杂志「新青年」上发表受到高度评价的处女作「二钱铜币」,从此开始推理小说的创作。
代表作为「D坡杀人案」、「心理测试」、「人间椅子」、「怪人二十面相」、「天花板散步者」、「透明怪人」、「芋虫」等。
江户川乱步是日本推理「本格派」的创始人,与松本清张、横沟正史并为「日本推理文坛三大高峰」。
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【口語訳】
「D坂の殺人事件」 江戸川乱歩
(上) 事実
それは九月上旬のある蒸し暑い晩のことであった。
私は、D坂の大通りの中ほどにある、白梅軒という喫茶店でコーヒーを啜っていた。
当時私は、学校を出たばかりで、まだこれといった職業もなかった。
そのため下宿屋でゴロゴロして本でも読んでいるか、それに飽ると、当てどもなく散歩に出て、
あまり費用のかからぬこの喫茶店で時間をつぶすというのが毎日の日課だった。
この白梅軒というのは、下宿屋から近くもあり、どこへ散歩するにも、必ずその前を通るような位置にあっので、
一番よく出入りする店だった。
だがいったん喫茶店に入ると、どうも悪い癖で、どっしりと腰を据えてしまう。
私は、元来食欲の少い方で、一つは懐具合の乏しいせいもあったが、洋食一皿注文するでなく、
安いコーヒーを二杯も三杯もお代りして、一時間も二時間も、ただ黙々と座り込むのだ。
そうかといって、別段、ウエイトレスにお目当てがあるとか、からかったりするわけでもない。
まあ、下宿に比べると、小ぎれいな場所で、何となく居心地がいいのだろう。
私はその晩も、例によって、一杯の冷しコーヒーをゆっくりと啜りながら、
往来に面したテーブルに陣取って、ボンヤリ窓の外を眺めていた。
さて、この白梅軒のあるD坂というのは、以前菊人形の名所だったところだ。
最近の市改正で狭かった道が拡げられ、四方八方へ通じる大通りになったが、
今よりずっと淋しかった当時は、まだ通りの両側に所々空地などもあったのだ。
白梅軒のちょうど真向うに、一軒の古本屋がある。
実は私は、先ほどから、そこの店先を眺めていたのだ。
みすぼらしい場末の古本屋で、別段眺めるほどの景色でもないのだが、私にはちょっと特別の興味があった。
というのは、私は近頃この白梅軒で、明智小五郎という名の妙な男と知合いになったからだ。
話をして見ると、いかにも変わり者で、頭の切れる男だった。
とりわけ、私が興味を惹かれたのは、彼が探偵小説好きだという点である。
先日聞いた話だが、なんでも彼の幼馴染の女が、今ではこの古本屋の女房になっているらしい。
その古本屋で二三冊、本を買ってみた印象だが、その店の細君というのが、なかなかの美人で、
どこがどういうではないが、何となく官能的に男を引きつけるような所があるのだ。
彼女は夜はいつでも店番をしているのだから、今晩もいるに違いないと私は思った。
二間半間口の手狭な店の前を、しばらく眺めていたが、女房は出てこない。
いずれそのうちに出て来るのだろうと、私はじっと眼で待っていたものだ。
だが、彼女はなかなか出て来ない。
で、いい加減面倒臭くなって、隣の時計屋へ目を移そうとしている時であった。
店の奥の部屋の障子戸がピシャリと閉るのが見えた。
――その障子は、独特のもので、普通、紙をはるべき中央の部分が、二重の格子になっていて、
その五分くらいの幅の格子が、左右に開閉出来るようになっているのだ。
――ハテ変なこともあるものだ。
古本屋などというものは、万引され易い商売だから、たとえ店に番をしていなくても、
奥に人がいて、障子のすきまなどから、じっと見張っているものだ。
しかし、そのすき見の箇所を、わざわざ塞いでしまうのはどうもおかしい。
寒い時分ならともかく、九月になったばかりのこんな蒸し暑い晩だのに、第一あの障子が閉切ってあるのからして変だ。
そうすると、古本屋の奥の間に何事かありそうで、私は眼を移す気にはなれなかった。
古本屋の細君といえば、ある時、この喫茶店のウエイトレスたちが、妙な噂をしているのを聞いたことがある。
なんでも、銭湯で出会うおかみさんや娘さんたちの世間話の伝え聞きらしい。
「古本屋の奥さんは、あんなきれいな人だけれど、はだかになると、身体中傷だらけよ。
叩かれたり抓(つね)られたりした痕(あと)に違いないわ。別に夫婦仲が悪くもないようなのに、おかしいわねえ」
「あの並びの蕎麦屋(そばや)の旭屋(あさひや)のおかみさんだって、よく傷をしているわ。
あれもどうも叩かれた傷に違いないわ」
……でこの、噂話が何を意味するか、私は深くも気に止めないで、ただ亭主が邪険なのだろうくらいに考えていた。
だが読者諸君、それが実はそうではなかったのだ。
このちょっとした事柄が、この物語全体に大きな関係を持っていることが、後になって分るのである。
それはともかくも、私はそうして三十分ほども同じ所を見詰めていた。
虫が知らすとでもいうのか、どうも外へ目を向けられなかったのだ。
その時、先ほどちょっと名前の出た明智小五郎が、いつもの黒い棒縞(ぼうじま)の浴衣を着て、
肩を振りながら、窓の外を通りかかった。
彼は私に気づくと会釈して中へ入って来たが、冷しコーヒーを命じておいて、
私と同じ様に窓の方を向いて、私の隣に腰をかけた。
そして、私が一つの所を見詰めているのに気づくと、彼はその私の視線をたどって、同じく向うの古本屋を眺めた。
しかも、不思議なことには、彼もまた如何にも興味ありげに、少しも目をそらさないで、その方を凝視し出したのである。
私たちは、そうして、申し合せたように同じ場所を眺めながら、いろいろ無駄話を取りかわした。
その時私たちの間にどんな話題が話されたか、今ではもう忘れてもいるし、
それに、この物語にはあまり関係のないことだから、ここでは省くことにしよう。
だがそれは、犯罪や探偵に関したものであったことだけは確かだ。
試しに一つ例を挙げて見ると、
「絶対に発見されない犯罪というのは不可能でしょうか。僕は随分可能性があると思うのですがね。
例えば、谷崎潤一郎の 『途上』 ですね。
ああした犯罪は先ず発見されることはありませんよ。
もっとも、あの小説では、探偵が発見したことになってますけれど、
あれは作者のすばらしい想像力が作り出したことですからね」 と明智。
「イヤ、僕はそうは思いませんよ。
実際問題としてならともかく、理論的にいって、探偵の出来ない犯罪なんてありませんよ。
ただ現在の警察に『途上』に出て来るような秀逸な探偵がいないだけですよ」 と私。
ざっとこういった風なのだ。
だが、その瞬間、二人は言い合せたように、ふと黙り込んでしまった。
さっきから話しながらも目をそらさないでいた向うの古本屋に、奇妙な事件が発生していたのだ。
「君も気づいているようですね」 と私がささやくと、彼は即座に答えた。
「本泥棒でしょう。どうも変ですね。
僕もここへ入って来た時から、見ていたんですよ。これで四人目ですね」
「君が来てからまだ三十分にもなりませんが、三十分間に四人とは、少しおかしいですね。
家に居る人はどうして出て来て見ようとしないのでしょうか?
僕は君の来る前からあすこを見ていたんですよ。
一時間ほど前にね、あの障子があるでしょう。
あれの格子の所が、閉るのを見たんですが、それからずっと注意していたのです」
「家の人が出て行ったのじゃないのですか」
「それが、あの障子は一度も開かなかったのですよ。出て行ったとすれば裏口からでしょう。
……でも三十分も人が出てこないなんて確かに変ですよ。どうです。行って見ようじゃありませんか」
「そうですね。家の中に別状ないとしても、外で何かあったのかも知れませんからね」
私はこれが犯罪事件ででもあってくれれば面白いな、などと思いながら喫茶店を出た。
明智とても同じ思いに違いなかった。彼も少なからず興奮しているのだ。